「節税すれば税金が少なくなって、その分お金が貯まる」
そのようなことはありません。
(過度の節税は金融機関の評価が下がります)
Contents
税金を安くするには
まず考えられるのは、利益を減らすことです。
利益が減れば単純に税金も減ります。
利益を減らすには、経費を増やせばできます。
税金を100万円減らすには、法人であれば400万円(税率25%と仮定)ほど経費を増やす必要があります。
ところで、うまく税金を抑えることができたとしても、手元に残るお金はどうでしょうか?
税金を100万円減らすために経費を400万円使っているので、400万円ほどお金が減っています。
もし経費を使わなければ、税金を100万円払うだけですむので、お金の減少は100万円ですみます。
結果的に節税しない方が、お金は残ることになります。
あとは経費を見直すことも大事です。
まだお金は払っていないけども、経費にできるものは探せばあるものです。
決算書が完成したら、まだ経費にできるものはないか探しましょう
保険は節税?
決算対策で、利益が出ているからと保険を勧められることがあります。
通常の経費は払えばお金は減りますが、保険に関しては解約した場合にお金が戻ってきます。
保険料として経費にして税金を抑えつつ、帳簿外でお金を貯めることも可能です。
ただしこの方法も、あまりお勧めはできません。
保険である以上、毎年の保険料が発生します。今期に利益が出ていたとしても、来期も利益が出るとは限りません。これが原因で、今後の利益も少なくなりますし、確実に資金繰りも圧迫します。
そして解約返戻金などという形で帳簿外にお金が貯まったとしても、あくまで帳簿外なので運転資金には一切使えません。
短期解約した場合には、解約返戻金も少ないです。節税した分以上の保険料がムダになってしまいます。
そして、経費に計上できる金額が多ければ多いほど、保険解約時に多額の税金がかかることがあります。
以前のように、解約返戻率が高いにもかかわらず、全額経費にできるような節税商品みたいなものは減ってしまいましたが。
これは、倒産防止共済にも同様のことが起こります。
掛金としてお金を払うので、手元のお金は減ります。
もちろん払ったお金なので、運転資金には使えません。
40か月継続すれば全額戻りますが、それ以下だと目減りしてしまいます。
一番注意したいのが、解約時に全額が税金の対象になります。
保険にしても倒産防止共済にしても、加入時の節税メリットだけでなく、
解約時の戦略も考えておきましょう。
また、保険の場合には、目先の節税でなく保障目的を重要視すべきでしょう。
お金がないのでは?
税金が払いたくない理由の一つに、税金を払ったらお金が無くなってしまうからではないでしょうか。
税金を払いたくない → お金を使ってしまう → 業績が悪くなる(利益が減る)・お金も無くなる → 金融機関の評価が悪くなる、お金が借りにくくなる
このような負のスパイラルに陥らないようにしましょう。
そのようなことにならないために、金融機関からお金を借りておくのも一つの手です。
手持ちの資金が少ないから、負のスパイラルに陥ってしまう可能性もあります。
手許資金の余裕があれば、税金を払っても余裕があるはずなので、そのような考えになりにくいです。
また、納税資金は金融機関から借りることもできます。
実績を積むために、借りてみるのもアリでしょう。
ただし、消費税の納税資金は借りることができないのでご注意を。
消費税は納税が多額になることが多いので、計画的に蓄えておきましょう。
<この記事の考え>
節税も必要なことですが、手元資金を確保するには節税を控えることも重要です。
節税をする前に、その経費が本当に必要なのか考えてみてください。
■広瀬純一のプロフィール
■単発相談 対面・オンライン相談 メール相談
■個人のお客様 税務顧問 個人の確定申告
■法人のお客様 税務顧問 年1決算プラン(法人様向け)
■相続税の申告・ご相談 相続税の申告 相続税の試算
■税務調査・無申告対応 税務調査対応 無申告対応