消費税のことで最後の月に考えておきたいこと

消費税の届出書は年末(法人は事業年度末)までが期限であることが多いです。
届出書1枚の出し忘れが、後々響くことがあります。
年末(法人は事業年度末)までに、一度整理しておきましょう。

来年(次の事業年度)の納税義務

来年(次の事業年度)は、消費税の納税義務はありますでしょうか?

インボイスの登録をしてあったとしても、一度確認しておきましょう。
消費税の納税義務が本来ないにもかかわらず、インボイスの登録をしていれば2割特例が使えます。

消費税の基準期間における課税売上高とは

消費税の特定期間とは

2割特例が使えなかった場合には、簡易課税制度が使えるかどうか確認しておきましょう。
基準期間の売上高が5,000万円以下であれば、使うことができます。

消費税の計算の仕方は2通り(+1)ある

消費税は原則課税で計算するより、簡易課税で計算したほうが納税が少なくすむことが比較的多いです。一度、試算してみましょう。

ただし、簡易課税で計算する場合には、届出書を年末(年度末)までに出さなければなりません。
そして、2年間はやめることができなくなるので、気をつけましょう。

また、簡易課税をやめたい場合にも届出書が必要です。こちらも、期限は年末(年度末)です。

(大事なこと)
・2割特例→届出書の提出不要
・簡易課税→届出書の提出必要(年末・年度末まで) 提出すると、簡易課税or2割特例
(出さないと、原則課税or2割特例)

インボイスの登録をやめる

インボイスの登録をやめることができるのも、基本的にはこの時しかありません。

ただし、その前に必ず消費税の納税義務があるかどうかをきちんと確認しておきましょう。

消費税の納税義務があるのに、インボイスの登録をやめることもできてしまいます。
ただし、この場合にはデメリットしかありません。これは絶対避けましょう。

提出期限は、おおまかにいえば15日前ですが、
具体的には、「翌課税期間の初日から起算して15日前の日まで」となっています。

個人事業主であれば、12月17日(日曜日)が提出期限です。
提出期限は日曜日ですが、期限は変わりません。

1日でも遅れると来年はインボイスの登録をやめることはできません。
12/18に提出した場合には、来年も消費税を納め続ける必要があります。

インボイスの登録をやめる場合

(大事なこと)
インボイスの登録をやめる場合の提出期限 12月17日(今年は日曜日)
もちろん、期限ギリギリはやめたほうがいいです

消費税は納税が大きくなることが多い

消費税の納税は、お客様から預かった消費税の一部を納めることになるため、業績の有無にかかわらず、納税額は大きくなる傾向があります。

消費税は納税が多額になることが多いので、計画的に蓄えておきましょう。

インボイス制度を機に消費税を納めることになる方も、
個人事業者であれば、今年は3カ月分の納税だけですみますが、
令和6年からは1年分を納めなくてはならなくなります。

小規模事業者の場合には、優遇措置がある一方で、選択肢も多くなってしまいます。
届出書1枚忘れると思わぬ税金が発生することもあります。
その期限が、最後の1か月にあります。

目先の所得税や法人税だけでなく、次の年(事業年度)の消費税にも目を向けていきましょう。