消費税の課税事業者のインボイス未登録はデメリットしかありません

インボイスの登録をすべきかどうかを悩む必要があるのは、消費税の納税義務のない方です。
消費税の納税義務がある方が、インボイスの登録をしないのはデメリットでしかありません。


(郵送で提出するなら、インボイス登録センターへ(税務署ではありません))

インボイスに登録するデメリット

インボイスに登録をすると、2年前の売上高がいくらあるかどうかに関係なく消費税の申告と納税をしなければならなくなります。

特に、今まで消費税の申告と納税をしなくてよかった方は、これがネックになってインボイスの登録をすべきかどうか悩むことになったと思われます。唯一の救いとして、2割特例という計算方法が新設されましたが…

ところで、2年前の売上高が1,000万円を常に超えていて、毎年消費税の申告と納税をしている方は、このデメリットはありません。

また、消費税の納税義務があるからといって、自動的にインボイスの登録がされるわけではありませんのでご注意を。

消費税の納税義務のルールと、インボイスの登録ルールは全く別物です。

インボイスに登録しないと困るのはお客様

インボイスの登録をしないことで、自分には直接困ることはありません。

インボイスの登録をしてもしなくても、自分の納税額には一切影響はありません。

困る場合があるのは、自分のお客様です。

厳密にいえば、お客様が
・事業者(一般の方であれば影響なし)
・消費税の納税義務者(免税事業者であれば影響なし)
・消費税を原則課税で計算している(2割特例、簡易課税で計算していれば影響なし)
である場合に限り、お客様が影響を受けます。

消費税を原則課税で計算した場合に、
預かった消費税 - 支払った消費税 で計算しますが、
支払った消費税を集計する際に、相手がインボイスの登録をしていないと、
支払った消費税から引くことができなくなります。
(現時点では支払った消費税の80%は引くことができます)

11,000円(うち消費税1,000円)を支払った場合に、
相手がインボイスの登録をしていれば消費税1,000円を引くことができますが、
相手がインボイスの登録をしていなければ消費税を引くことができなくなります。
(現時点では80%の800円は引くことができます。200円は切り捨て)

間接的には自分にも影響が…

インボイスの登録をしなくても、直接的な影響はないかもしれませんが、間接的には影響があるかもしれません。

同じ商品が同じ値段で販売されていたとしても、
インボイスの登録してある方から購入するのと、インボイスの登録をしていない方から購入する場合を考えれば、インボイスの番号のある方から購入したほうが納める税金が少なくてすみます。

そのため、消費税を原則課税で計算しているような方であれば、
インボイスの登録のない方からの取引を控える可能性があります。

インボイスの登録のない方からモノを購入した場合に払う消費税は、
現時点では80%ほど引くことができますが、
3年後には50%しか引くことができなくなってしまいます。
さらにもう3年後には一切引くことができなくなってしまいます。

消費税の納税義務がない方については、納税とインボイスの登録をしないことによる売上の減少を踏まえて、インボイスの登録を検討する必要がありますが、
もともと消費税の納税義務がある方は、インボイスの登録をしないことによる売上の減少というデメリットしかありません。早めに登録をしておきましょう。

マイナンバーカードでインボイスの登録を行う方法

<この記事の考え>
消費税の課税事業者の方から、インボイスの登録をすべきかどうかの相談を受けたので記事にしました。デメリットしかないので早めに登録しておきましょう。