金融機関からお金を借りたら、資金使途違反に注意しましょう。
最悪、どこからもお金を借りることができなくなります。
資金使途違反がなぜダメなのか
資金使途違反とは、その名のとおり金融機関から借りたお金を目的と違う用途に使用することです。
そもそも、なぜ金融機関はお金を貸してくれるのでしょうか?
貸したお金を事業に使って利益を上げて、その利益をもってきちんとお金を返してくれることを約束したからです。会社の業績も関係ありますが、一番は社長に対する信用です。
ところが、会社の事業のためにお金を貸したのに、違うことに使われていたらどうでしょう。
これは、単なる裏切り行為でしかありません。
資金使途違反は、決算書の提出のたびに必ずチェックされます。
資金使途違反
設備資金での資金使途違反
借入金の資金使途は、大きく設備資金と運転資金に分かれます。
そのうち設備資金は、単純に設備を購入するために借りるお金です。
設備資金は資金使途がはっきりしています。決められたものを買うだけですので。
意図的に約束を破らない限り、資金使途違反にはならないはずです。
機械を買う目的でお金を借りたのに、機械はリースにして会社の車を購入するなどはもってのほかです。
設備資金での資金使途違反は、すぐ発覚します。
次の期の決算書を提出した際に、資産台帳にその設備が正しい金額で購入されているかどうかがわかるからです。
設備資金を多めに借りて、運転資金に回すこともよくないです。
面倒でも設備資金と運転資金は別々に申し込みましょう。
設備を入れて売上が上がれば、運転資金が必要になることは銀行員もわかっています。
運転資金での資金使途違反
資金使途が運転資金の場合、お金の使い道は、商品や材料の仕入れ、給料や家賃の支払いと特別な用途は基本的にはありません。実際、普通に使っていればまず問題になることはありません。
借りるときにも、会社の財務内容にもよりますが、「手元資金を厚くしておきたいから」と伝えれば、通常は借りることができます。
中小企業は必要な時にいつでもといった資金調達ができないことから、将来のリスクに備えて最低でも月商の2か月分、できれば3か月ほどの資金を確保しておきたいところです。
ところが、月商の2~3か月分の資金があると、お金に余裕があると錯覚し必要もないことに投資しがちです。貸借対照表に多額の貸付金や投資有価証券などの項目が出てきたら、資金使途違反を疑われます。
お金の使い方には十分気をつけましょう。
最悪どこからもお金を借りれなくなる
資金使途違反は、金融機関に対する裏切り行為です。お金を借りたくなった時に、その金融機関からは、一度裏切られた社長にお金を貸してくれることはありません。
ひとつの金融機関ならともかく、信用保証協会付きでないと借りることができない場合は要注意です。信用保証協会に睨まれたら、どこの金融機関に行っても借りることはできなくなります。
会社の事業のためにお金を借りているということをお忘れなく。
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