決算期の消費税の納税が多額になるケース

消費税の納税は、赤字であっても納税になることの方がほとんどです。

思い切った設備投資でもない限り、還付になることはありません。

その中でも、さらに決算期に納税額が多額になってしまう場合をまとめてみました。


(突然多額の納付書を渡されるとビックリしますよね…)

売上高が増加した

消費税の納税は、売上が単純に大きくなるにつれて大きくなる傾向にあります。

理由は単純で、お客様から預かった消費税も単純に増えるからです。
売上高の約10%はお客様からの消費税の預り金です。

原則課税で計算する場合には、「預かった消費税-支払った消費税」で計算するので、納税額が増える要素になります。

簡易課税や2割特例で計算する場合には、預かった消費税のみで計算するので、100%納税額が増えます。

売上が増えたときには、消費税の納税額を意識しておきましょう。

設備投資をしていない(原則課税のみ)

事業の規模が大きくなると、毎年のように機械や車両を入れ替えるケースがあります。

設備投資をすれば支払った消費税が大きくなるので、消費税の納税額も少なくなります。

反対に設備投資が少ないと、支払った消費税が少ないので、最終的な消費税の納税額は大きくなることがあります。

設備投資の多い少ないは、損益計算書を見てもほとんどわかりません。

税抜経理の場合には貸借対照表の、「仮受消費税 - 仮払消費税 - 中間納税の金額」

が、現時点での消費税を納めなければならない金額です。

税込経理の場合には、貸借対照表にも現れません。

別途会計ソフトにある、消費税の集計表を利用すれば把握することができます。

消費税の中間納税が少ない

最終的な納税額を計算する際には、「今年(今期の消費税)- 消費税の中間納税額」と計算しますが、消費税の中間納税が少なかった場合にも、消費税が多額になることがあります。

消費税の中間納税が少ない場合とは、単純に前年(前期)の年間の消費税の納税額が少なかったことを意味します。

・前年(前期)の売上があまりよくなかった
・前年(前期)に多額の設備投資を行った

場合には、前年(前期)の消費税の少なくなり、結果として年間の消費税が少なくなります。

こう自分の規模に比べて消費税の納税が少なかった場合、結果として中間納税の金額も少なくなります。場合によっては中間納税の回数自体も変わってしまうこともあります。

こういった場合、その次の年(事業年度)の消費税の納税額は常に警戒しておきましょう。

「売上が増えた・減った」「設備投資が多かった・少なかった」は時間が経たないとわかりませんが、消費税の中間納税が規模に比べて多い・少ないは事前に把握ができます。

「納税が少なくてラッキー」は、次の消費税の納税時の要注意サインだったりします。

<大事なこと>
消費税の納税は多額になることも多く、資金繰りに影響を与えるものです。常日頃から納税額を意識しておきましょう。消費税の納税資金の融資は受けることができませんのでご注意を。