不動産を売却した場合に譲渡所得があった場合、つまり
売った値段(譲渡価額) - 過去に買った値段(取得費) - 諸経費(譲渡費用)
がプラスであった場合には税金がかかります。
不動産を売却した場合の税金は、譲渡所得×税率によって計算しますが、その税率は3パターンあります。
税率20.315%(通常時)
通常は、譲渡所得×20.315%によって不動産を売却したことによる税金を計算します。
20.315%の内訳は、所得税が15.315%と住民税5%です。
条件は、あとに記述する2つに該当しない場合ですが、
・買った日~売った年の1/1まで5年超所有している
・自宅を売った場合の軽減税率の特例を使えない
場合で、ほとんどがこれに当てはまります。
ところで、不動産を売却した場合の税率は下記のものも含めて単一税率です。
これは所得税は本来、超過累進税率(利益が大きくなるにしたがって税率自体も上がること)ですが、たまたま譲渡所得が大きかった場合に超過累進税率だと、ものすごい税金を払うことになってしまいますので、そういった配慮から単一税率になっています。
なお、税金自体は20.315%ですが、それ以外に健康保険が国民健康保険や後期高齢者医療保険の場合には、1年に限り、保険料自体も上がってしまいます。
税率39.63%(短期で売却)
不動産を短期で売却した場合には、税率が39.63%と通常時の2倍くらいに大きくなります。
39.63%の内訳は、所得税が30.63%と住民税9%です。
この税率が適用される場合は、買った日~売った年の1/1までの所有期間が5年以下の場合です。
所有期間の計算のしかたは要注意
不動産を売却した場合の所有期間は、買った日~売った年の1/1でカウントします。
買った日~売った日ではありません。
たとえば、買った日がR1.6.1、売った日がR6.8.1であった場合には、
買った日~売った日は5年2カ月で5年超ですが、
買った日~売った年の1/1(R6.1.1)で、4年7カ月となり5年以下です。
つまり、5年以上持っていたとしても、税率が39.63%となってしまうことがあります。
5年位所有しているようでしたら、所有期間の計算は十分気をつけましょう。
税率14.21%(マイホームの売却)
マイホームを売った時で、下記の条件に当てはまれば税率が14.21%になります。
・売った年の1/1時点で所有期間が10年超
・身内に売ったものでない
・売った年の前年、前々年にこの特例を受けていない
・買換え特例や交換の特例を受けない(併用不可)
・売った年の前年、前々年に住宅ローン控除を受けていない(併用不可)
譲渡所得が6,000万円以上になった場合には、超えた部分は20.315%の税率になります。
なお、住宅を売った場合の3,000万円の特別控除の併用はできます。
<大事なこと>
通常は20.315%ですが、短期での売却は39.63%で不利になります。
所有期間の取り間違いには気をつけましょう。
一方でマイホームの売却は14.21%と有利になります(かつ3,000万円控除も併用できます)。
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