住宅購入の資金援助すると、贈与税が安くなる特例もあります

子や孫の住宅を購入するためにお金を上げた場合には、条件を満たせば、贈与税の特例を使うことができます。ただし、段取りを間違えてしまうと、特例の恩恵を受けることができなくなってしまうので注意が必要です。

住宅購入資金には贈与税がかからない

住宅資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税の制度とは、住宅購入の金銭援助をした場合に、贈与税がかからない特例です。

・あげる人は直系尊属(両親か祖父母)
・もらう人の前年の収入が一定以下(給与だけの場合2,195万円以下)
・もらったお金で住宅を購入するor建てる(建物のみ、建物+土地がOK。土地のみはNG)
・お金をもらった年の、翌年3/15までに住む
・贈与税の申告をする(3/15までに必ず)

といった条件を満たす必要があります。

現時点では、今年(令和5年)の12/31までということになっています。
ただし、細かい条件や限度額に変更はあるものの、例年継続されています。

限度額は

贈与税が非課税になる限度額は、
省エネ住宅であれば、1,000万円  それ以外の住宅であれば、500万円
となっています。

ただし、贈与税の非課税枠の110万円も併用できるので、
省エネ住宅であれば、1,110万円  それ以外の住宅であれば、610万円
までは、他に贈与を受けていなければ、贈与税はかかりません。

前述したとおり、今年までとなっていますが、例年継続されてはいますが、
限度額に関しては、毎回金額が変わっています。

特例を受けるための注意点

贈与税の申告は絶対に必要

住宅資金の贈与の特例を受ける場合には、贈与税が0円になる場合であっても申告は必要です。

さらに、必ず期限内(贈与税の申告期限は3/15)に提出する必要があります。
1日でも遅れた場合は、特例が受けることができなくなりますので注意しましょう。

贈与→購入という順序を厳守

住宅資金の贈与の特例は、
(住宅を買うのを援助する目的で)お金の贈与を受ける→そのお金で住宅を購入する、
ということになっています。

住宅を購入してから、あとでお金を贈与した場合には、住宅を購入するための贈与とはならず、
特例を受けることができません。

また、贈与をする人が、住宅の購入代金を直接支払うこともNGです。
手間はかかりますが、必ず住宅を購入する方に、お金を贈与しましょう。

翌年の3/15までに住むことが原則

住宅資金の贈与の特例を受けるためには、基本的には3/15までに住むことが要件となっています。

購入する場合には、すでに完成しているので問題はないのですが、注文住宅の場合には、契約してからか住宅が完成するまでに、半年近くかかることから、年末に契約をした場合には、3/15までに住宅が完成してなくて住むことができないことも考えられます。

その場合であっても、
・3/15までに骨組みは完成している
・完成次第、住む
・遅くても12/31までには完成して、住む
ようであれば、特例を使えることができます。

ただし、贈与の時期によっては、期日が守れなくなってしまう可能性が高いので十分注意しましょう。万が一、3/15までに骨組みすら完成しなかった場合には、特例が適用できなくなってしまいます。

贈与の時期は、年末には避けたほうがいいですね。

住宅ローン控除との関係

住宅資金の贈与の特例と、住宅ローン控除は両方使うことが可能です。

ただし、住宅資金の贈与の特例を受けた分、住宅ローン控除が減額される可能性があります。

例えば、住宅が3,000万円、贈与を受けたのが500万円、住宅ローン残高が2,800万円であれば、

住宅ローン控除で税金が安くなる金額は、
住宅の値段 3,000万-500万(贈与を受けた金額)=2,500万
住宅ローン残高 2,800万円
の小さい方の、2,500万円に0.7%をかけることになっています。

贈与を受けた場合、住宅ローン残高によっては、減税額が少なくなることがあります。