相続税対策は、やらないよりはやったほうが相続税を少なくできる可能性があります。
とはいえ、相続税対策は家族全員が協調する必要があります。
場合によっては、やらないというのも一つの選択肢です。
相続税の目的
相続税が一体なぜ課税されるのでしょうか?
相続税にも課税する目的はあります。その答えは、財務省にあります。
(財務省のHPより)
相続税は、亡くなられた親などから、お金や土地などの財産を受け継いだ(相続した)場合に、その受け取った財産にかかります。
相続した財産の一部を国に納めていただき、広く社会のために使うことになるので、相続税には、資産を再分配する機能があります。また、相続した財産が大きいほど相続税額は大きくなるので、生まれた家庭の経済状況による差を縮小させ、格差の固定化を防止する機能もあります。
とはいえ、親がなくなって悲しい思いをしなければならないのに、今と同じ生活をするのに税金まで払わなければならないのが相続税です。
そのため相続税対策を考えるわけですが、そもそも第一段階で相続税がかかるかどうか考える必要があります。
相続税対策は必要ですか
相続税がかかるかどうかは、
・どんな財産があるか把握する
・その財産にどれくらいの価値があるか調べる
必要があります。
そして、その財産の価値の合計が基礎控除額を上回らなければ、相続税対策は必要ありません。
相続税がかかる予定がなさそうなのに、相続税対策として生前贈与をしてみたりしても無駄になる場合もあります。
相続税対策目的だけに限った贈与は、むしろ避けるべきでしょう。
ただし、贈与は相続税対策のためにあるわけでないことも忘れないでおいてほしいです。
下の世代に財産を有効活用してもらいたいので、生前に贈与することもアリだと考えます。
相続税対策は必要ないけど、贈与をしても問題ありません。
贈与税の特例に、住宅資金贈与、教育資金贈与、結婚子育て資金贈与がありますが、この特例は下の世代に財産を回したいという、国の思惑から生まれたものです。
本来は、相続税対策のための特例ではないのです。
(↑相続税対策っぽい記事になっていますが…)
相続税対策を反対されたら
以前、税金の相談会で、「相続税対策をしたいが親の理解を得られない、どうしたらいいのでしょうか?」とのご相談を受けたことがあります。
その場合は…、きちんと話し合うしかないですね。
贈与って、あげる人の「あげるという意思」と、もらう人の「もらうという意思」の二つが大事だったりします。どちらかがないと、贈与自体成立しません。
あげる人の「あげるという意思」がないってことは、持っている財産をあげたくないのでしょう。
あげたくないというか、持っていたいだけかもしれません。
財産を動かすのが不安なのかもしれません。
理由はそれぞれだと思います。
それでも、無理やり相続税対策だからって生前贈与を求めることは、
冷静に考えれば「お小遣いがないからちょうだい」と同じなのですよね。
そもそも、相続税を払うのはもらった人です。あげる人には関係ありません。
時間をかけて話し合ってもダメだった場合は、あきらめるのも一つの選択肢です。
相続税は払わなくてはいけませんが、通常はもらった財産から払うことができます。
相続税対策より、家族関係を重視しておきましょう。
<この記事で考えていること>
相続税対策も大事ですが、家族全員の同意が必要だったりします。
無理に家族全員の同意を求めて相続税対策するのも大事ですが、家族関係を維持することも忘れずにしておきましょう。
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