決算書をきれいに見せるには

決算書は、粉飾や利益操作はNGですが、見栄えを整えることはOKです。
納税する額に変化はありませんが、ちょっとした工夫で営業利益や経常利益が変化するので、多少は金融機関に好まれる決算書に変化できます。


(ちょっとの努力で、素晴らしい景色に 高尾山)

営業利益と経常利益はプラスが理想

金融機関からお金を借りる場合、営業利益と経常利益がプラスであったほうがいいです。

営業利益がプラスであることは、金融機関に対して、その利益できちんと利息を払える証だから。
(支払利息は営業利益の下にあります)

経常利益がプラスであることは、金融機関に対して、その利益で利息をつけてお金をきちんと返してくれる証だからです。

当然ながら、利益と資金繰りは一致しないので、これが全てというわけではないのですが、
やはり、利益というものも見られます。

営業利益も経常利益も赤字であれば、利息も借入金の元本返済も難しいと考えられてしまいます。

雑収入を見直してみる

ところで、決算書には雑収入という科目があります。
この雑収入には、本業の売上高以外の細々とした収入が入ります。

私が考える雑収入とは、
・毎年(毎月)の金額の少ない定期的な収入
・金額が小さい臨時的な収入
のどちらかに該当するものです。

本業とは関係ないものでも、定期的な収入で金額の多いものは、雑収入とはせず売上高としてみるのも一つの考えです。

経常利益に変化はないですが、営業利益は反映させることもできます。
不動産収入があったり、定期的な手数料収入がある場合などはお勧めです。

一方で、臨時的な収入で金額の大きいものは雑収入とするのは避けた方がいいでしょう。

例えば、持続化給付金や家賃支援金給付金(もうありませんが)などの収入。
これは、一時的な収入ですし、金額も大きいものですので雑収入としては不適当です。

他にも、保険金収入などが該当するでしょうか。
きちんと、特別利益に記載しておきましょう。

大きな臨時収入を雑収入にして、経常利益を膨らませたとしても、金融機関の評価は変わりません。

経費でも見直すことはできます

営業利益や経常利益を雑収入で調整するのは、基本的にできません。

ただし、原価や販管費などに計上しているものを、特別損失にすることによって、営業利益や経常利益の見栄えをよくすることはできます。

特別損失にすることができそうな項目は、このようなものがあります。
・商品の廃棄処分や投げ売り
(原価に反映したままで、利益率の変動が激しいと税務調査の対象にもなりやすいです)
・役員退職金
・従業員が少ない会社の退職金
・新店舗の出店費用
・特別償却
・不動産取得税
・決算賞与
などです。

ポイントは、臨時的な支出で、かつ金額が大きいものです。原価や販管費が減少することによって、営業利益と経常利益が大きくなります。

納税額は変わりませんが、最後にひと工夫することで、多少なり融資になる決算書にすることができます。


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