法人税法を受験科目に選択することで、実務に役立つかどうか考えてみました

税理士試験の受験科目の選択で、「所得税法」or「法人税法」という選択肢があります。
(「所得税法」or「法人税法」でもOK)
「法人税法」という科目が、実務で役立つかどうか考えてみました(私の主観です)。


(PDF化した過去のテキスト)

法人税を選んだ理由

まず私の選んだ受験科目ですが、
簿記論、財務諸表論、消費税法、法人税法、相続税法の5科目です。

この5科目を選んだ理由は、特に何もありません。
HPやパンフレットを見ると、この5科目がオーソドックスで、税理士事務所の就職にも無難であると考えたからです(当時バス運転手)。法人税を知らないと、税理士事務所への転職は不可能かと思ったからです(←勝手な妄想です)。

最後の受験科目を選ぶ際に、相続税法にするか所得税法にするか迷いましたが、転職する際の税理士事務所の面接で、「ぜひ相続税法を」とのことだったので、相続税法を選ぶことにしました。

まあ、当時の心境は 税理士試験合格 < 転職 であったので。
転職さえできれば、どっちでもよかったというのが本音です。
独立する気持ちは、当時は全くありませんでしたので。

話はそれますが、「相続税法」という選択はよかったと思っています。

法人税は実務で使えるが…

転職先の事務所は、所長税理士1人+正社員9人+パート4人と、個人事務所にしては大きめの事務所だったと思います。

7年ほど勤めましたが、法人税法が実務に役立つかどうか考えてみると、メリットはソフトの使い方には苦戦するものの、法人税の申告書だけは作成はできたことです。

ただし、法人事業税・県民税、法人市民税の申告書の作成は苦戦します(あたりまえですが、法人税法では一切勉強しないので…)。

赤字決算の場合の法人事業税・県民税、法人市民税の申告書は均等割りのみだけなので、間違えることがなくほっとしていましたが…

赤字でない場合、ソフトが自動的に作ってくれるので、あっているかどうかわからないにも関わらずプリントアウトして、チェックを受けていたのは懐かしい思い出です。

決算書は、会計ソフトを使ってできるので、その事務所内でのルール通り作れば申告書だけは一通り作成できるようにはなります。

他にも、勘定科目内訳明細書や法人事業概況説明書など作成もあるので、すべてをこなすにはなかなか大変でしたが…。

法人税法を選ぶのはアリか…

デメリットは、法人税法で勉強するほどの難しい実務は出てこないことです。

試験に出てくるような、別表調整はほとんどありません。
別表調整しないように、法人税法のルール通りに決算書をつくってしまうからでしょう。

別表調整が必要なものは、
・損金経理をした納税充当金
・損金経理をした法人税、住民税
・納税充当金から支出する事業税
・受取配当の益金不算入
・法人税額から控除される所得税
くらいです。

決算書をつくるうえでの、法人税法のルールを知っていれば、ある程度の法人の申告書をつくれるのではないかと思います(ある程度の勉強は必要ですが)。

私の勝手な結論ですが、よほど大きな法人を担当しようと思っていたり、大規模な税理士法人に就職しない限り、「法人税法」は外してもいいかと…。

勉強時間の割にどの程度実務で使うかを考えると、コストパフォーマンスは低いかもしれません。
特に、私のようにひとりで細々やっていくと考えているなら、なおさらです。

<この記事の考え>
税理士試験では、法人税法か所得税法のどちらか1つは必須ですが、私の場合所得税の方が実務に使えるような気がします…


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