相続税の申告は、ちょっとした細かいものの申告も必要です。
忘れがちなものについて、まとめてみました(細かいものは他にもありますが)。
(誰の配当金か考える必要があります)
所得税の精算
相続税の申告が必要であるかどうかも大事ですが、その前に亡くなった方の所得税の確定申告(準確定申告)が必要かどうかを確認する必要があります。
申告期限が、相続税が10カ月以内に対し、所得税は4カ月以内です。
必要があるならば、所得税の申告の方が先にする必要があります。
そしてこの申告で税金が戻ってくる場合には、その税金は相続税の課税の対象になります。
もちろん、払う場合には相続税の財産から減らすことができます。
住民税については、通常は確定申告をすることによって、翌年の住民税がかかることになってはいますが、準確定申告の場合、翌年の住民税はかかりません。
保険料の精算金
亡くなった方が、健康保険の保険料(国民健康保険料、介護保険料、後期高齢者医療保険料)をご自分で払っていた場合には、各自治体で亡くなった日までにあわせて、保険料を精算してくれます。
そして、健康保険の保険料が戻ってくることがありますが、これも相続税の課税対象となります。
もちろん払うことになれば、相続税の財産から減らすことができます。
それ以外にも、高額療養費制度で医療費が戻ってくる場合もあり、その戻ってきたお金も相続税の対象になります。亡くなる直前だと、医療費の支出も多いので戻ってくる可能性は高いです。
数千円というものが数件あることになりますが、もれなく申告する必要があります。
株の配当金
亡くなった方が株を持っていた場合には、亡くなってから最初にもらう配当金を、財産として申告する必要がある場合があります。
株の配当金は、〇月〇日現在(基準日)の株の所有者に対して配当金を受けることができます。基準日から配当を受けるまで通常2~3カ月程度のタイムラグがあります。会社の決算を固めて、配当をどれくらいするのかを決めた後、株主総会の承認を得るためです。
配当金を受けるためには、基準日に株を持っていれば、配当金を受ける権利をもらうことができます。
ところが、その基準日から配当を受ける日までに亡くなった場合には、基準日に配当をもらう権利があるのは亡くなった人なので、その後にもらう配当金は、亡くなった人の財産となってしまうわけです。
相続税の財産に加算しなければならないのは、手取り額(配当金から所得税・住民税を引かれた後の金額)です。
ずいぶん細かいなあと思われますが、忘れずに計上しましょう。
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