事業を始めて最初の確定申告が難しい理由

事業を始めて初めの確定申告は、お金に余裕がないから自分で…となりがちですが、
最初の確定申告が一番難しいです。その理由を考えてみました。


(初めての富士山、確か3450m付近でリタイヤ)

会計ソフトで決算書ができてしまうが…

最初の確定申告であれば、会計ソフト自体に触れるのも初めてかと思われます。

クラウドの会計ソフトで、預金通帳を自動的に読み取り、経費はレシートの写真を撮るだけで確定申告が無事にできる…、とは残念ながらできません。

もちろん、クラウド会計自体はよくできてはいるのですが、間違っているとまでは教えてくれません。プライベートのレシートをも見込ませても、経費ならこの勘定科目では…、と教えてくれるだけです。ある程度は自分での判断も必要です。ある程度学習させることも必要です。

そして、65万円控除であれば損益計算書だけでなく、貸借対照表を完成させなければいけません。

ところが、通帳やレシートをすべて入力してプリントアウトすれば、それっぽい決算書が出来上がってしまいます。すると、完璧な決算書が出来上がった感覚に陥ってしまいます。

会計ソフトは、その決算書があっているかどうか、間違っているかどうかまでは教えてくれません。

・マイナスの勘定科目がある
・入れてはいけない経費まで入っている
・経費のつもりが資産計上されていた
・貸借対照表の数字がなんとなく(→要は損益も間違っているおそれがあり)
といった、間違いがよくあります。

なんとなくできてしまう決算書には注意しましょう。

特殊な処理が多い

初年度って経理処理が複雑な場合が多いです。

事務所や店舗を借りれば、経費にするもの、資産計上しなければいけないもの、何年かに分けて経費にするものを分ける必要があります。それには、領収書だけではわからず、請求の内訳や、賃貸借契約書が必要になったりします。

事務所を借りたときの経理処理

設備を入れれば、資産計上するとともに、何年かに分けて経費にする必要があります。
どのように分けるか、何年にするかどうかは、税理士であっても調べなければわかりません。
車ですら、結構複雑になる場合もあります。

車を買ったら、どのように経費になるのか

中古車を買ったときの経理の注意点

逆をいうと、2年目以降の方が簡単です。
ある程度のパターンができれば、それを繰り返すだけですので。

あらゆる収入を合算する必要がある

事業を始めたからって、事業だけの申告をすればいいわけではありません。

例えば、1~4月までどこかで勤務していて給料をもらっていて、その後独立した場合には、
1~4月の給与についても、事業と合算して確定申告することが必要です。
その際には、源泉徴収票を前の職場から取り寄せる必要があります。

さらに退職金をもらっていたら、申告が必要な場合もあります。

1年目でお金をかけられないのであれば、会計ソフトを立ち上げる、できたものを見てもらうところだけでも、専門家に依頼するのもお勧めです。

時間に余裕があれば、ちょっとした節税のアドバイスも受けられるかもしれません。

逆に、申告期限ギリギリになって、申告を依頼するのは避けた方がいいです。
受けてもらうことすらできないかもしれませんし、節税のアドバイスなんてもちろんないでしょう。
余計な追加料金がかかることもあるかもと、いいことは何一つありません。

確定申告の提出期限まで4カ月ほど、早めに動いていきましょう。
(もちろんまだ申告はできませんが)