一時的な資金繰りのピンチには、生命保険の契約者貸付制度を利用してみる

お客様からの入金が遅れるなどすれば、一時的とはいえ資金繰りに追われてしまうことがあります。

生命保険をかけていれば、一時的にお金を借りることができます。

生命保険の契約者貸付制度についてまとめてみました。

生命保険の契約者貸付制度とは

生命保険の契約者貸付制度とは、解約返戻金のうち70~90%を生命保険会社からお金を借りることができる制度です。

借入する際には申込をすれば、特別な審査はありません。

解約返戻金があるような保険契約であれば、借入できないようなことはありません。

審査がないためか、申込をすれば数日でお金を調達することができます。

生命保険の解約ではないので、お金を借りている間であっても、生命保険での保障機能も継続します。

契約者貸付制度のデメリット

生命保険の契約者貸付制度のデメリットは、金利は2~4%前後と銀行からお金を借りるときに比べると高めです。長い期間お金を借りるには向きません。

利息は引き落とされることもありますが、貸付金の元本に組み込まれることもあります。

元本に組み込まれた場合には、いつの間にか借入金が膨らんでいることもあるので、残高には注意しておきましょう。

あくまで一時的なピンチをしのぐためだけに利用するのがいいでしょう。
借りるときも自由ですが、返すときも自由です。

また、お金を借りたままで保険金が下りるような事態が起きた場合には、借りているお金分は差し引かれます。

保険金が1,000万円の生命保険に加入していて、契約者貸付制度を利用して800万円を借りていた場合には、保険金として入金されるのは200万円です(その代わり借りているお金は返済しないですみますが)。

ところで税金については、お金を借りたときには税金はかかりませんが、

保険金が下りるような事態が起きた場合には税金はかかります。

上記の例で言えば、200万円しか入金されなくても、税金の対象になるのは1,000万円です(保険積立金を積み立てていれば、その分は差し引かれます)。

これに対する法人税は250~330万円です。

生命保険の契約者貸付制度を借りたままそのままにしていると、保険金が下りるような事態が起きた場合、入金額に見合わない納税が発生することもあります。

生命保険の契約者貸付制度をうまく使うには

生命保険の契約者貸付制度は、一時的に資金不足になってしまったときに短期的に利用するのがいいでしょう。

いくら借りることができるかは、毎期の決算の時点で生命保険の解約返戻金がいくらあるか確認しておくといいでしょう。

なお、生命保険契約の解約返戻金は貸借対照表には現れません(保険積立金とは金額が違います)ので、別途保険会社に問い合わせる必要があります。

それよりも大事なことは、一時的な資金繰りのピンチに陥らないように、現金を常に多く確保しておくことも大事だったりもします。

中小企業は多めにお金の確保することが大事

<大事なこと>
生命保険の契約者貸付制度は速やかに資金調達ができますが、金利が高いといったデメリットがあります。あくまで、一時的な手段と考えておきましょう。

 


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