会社を閉めるときに、現時点での財務状況を考えておく

法人を設立した場合には、事業をやめたら自然消滅するわけではありません。会社そのものは残ってしまいます。

会社で換金できるものはすべて換金し、支払わなければならないものがあればすべて支払いを終える必要があります(いわゆる清算作業)。

この場合に、うまくいく場合と、やっかいな場合があります。会社を閉めることを考えるときに、どのような状況になるか、事前に考えておきましょう。

お金が残る場合

かんたんに会社を清算できるケースは、すべて清算したあとでお金が残る場合です。

貸借対照表の左側(資産)が現金のみ、右側(負債・純資産)が資本金と繰越利益剰余金という形になります。

この場合には、はじめに会社を設立するときに払い込んだ資本金をまず株主にお返しして、それでもお金が余った場合には、配当という形で源泉所得税(20.42%)を天引きして株主にお支払いします。

例えば、現金 500万円/資本金100万円 繰越利益剰余金400万円、株主が社長100%のみである場合には、

・会社→社長に資本金100万円を返す

・残ったお金400万円を会社→社長に配分する(816,800円天引きが必要)

といった流れになります。

ちなみに、資本金の返金は課税の対象にはなりませんが、配当部分については収入となるので確定申告が必要です。

お金が残らない場合(自分の借入金のみ)

しかしながら、お金が残らずに支払のみ残るケースがあります。

ただし、これが自分への借入金のみであれば、対処がしやすいです。

例えば、資産 0/役員借入金200万円 資本金100万円 繰越利益剰余金−300万円という形になりそうであるとします。

この場合には、会社に貸しているお金を放棄することで、対処することができます。

これで、資産 0/資本金100万円 繰越利益剰余金−100万円となり、資本金の払い戻し0という形で決着できます。

気をつけるべきことは、会社に貸しているお金の返還を放棄することで、会社の利益になり、法人税に影響を与えることがあります。

資本金も会社に貸したお金もすべて放棄することになるという過酷な状況が待っていますが、これが現実です。

お金が残らない場合(自分以外の借入金が残る場合)

一番問題になるのが、他人への借入金が残ってしまう場合です。銀行借入金などが代表例です。

この場合には、当然ながら放棄してくださいと言ったところで、応じてくれる訳ありません。

相手が放棄してくれない場合に会社の清算をしたいと考える場合、

・自分のお金を会社に貸す→銀行にお金を返す→自分の借入金の債権放棄
・借入金を個人で引き継ぐ
・法的処置をする(破産手続きなど)
・会社そのものを存続する

といった、さらに過酷な選択肢しか残りません。

法人設立のメリットに有限責任というものがありますが、それであってもこういったきびしい選択をしなければいけないことになります。

会社設立のことに頭がいきがちですが、閉めるときにはそれ以上に難しく、場合によっては責任問題が生じるケースもあります。会社を閉める時のことを考えながら経営しておくことも大事です。

<昨日の出来事>
午前中は家族との買い物。
午後は来月提出の申告書のチェック、ランニング4km。

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