相続した土地の売却を考えている場合には、気をつけて欲しいことがあります。
注意点をまとめてみました。
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小規模宅地等の特例を使う場合
小規模宅地等の特例は、故人様の持っていた土地を相続する際に、相続した方やその後の利用方法などの要件を満たせば、その値段を最大80%引きで評価していいという制度です。
これを使うことによって、相続税の負担が少なくなることができます。
ところで、この小規模宅地等の特例の要件の中のほとんどの場合に、
「申告期限までその土地を持っている」
という条件があります。
(配偶者が自宅の土地を相続した場合のみ、この要件はありません。)
申告期限までに売却してしまえば、特例による恩恵は受けることができません。
ところで、相続税の申告期限は故人が亡くなってから10カ月ですが、大きな台風が来たり、地震があったりすると、自分の財産に被害がなかったとしても、その指定された地域に該当すると、申告期限が延長されてしまうことがあります。
申告期限が変わってしまうと、納税猶予を受けていた場合の継続届出書の提出時期も変わってしまいます。
私もこの書類を提出して、申告期限が変わっていたことに気づいたことがあります。
幸い、申告自体に影響はありませんでしたが・・・
小規模宅地等の特例を使う場合には、申告期限には十分注意しましょう。
土地の面積
相続税で土地を評価する場合には、「1㎡あたりの単価(路線価) × 面積」で評価します。
この面積は相続税の申告の際には、測量することまでは求められていません。
実際には、大きく異なることがなければ、登記簿謄本に記載してあるものを使うことでもOKです。
相続税の申告の時には求められていなくても、不動産を売却するときには測量を求められることがほとんどです。
ここで気をつけたいのが、「相続した土地」と「売却した土地」の面積が変わってしまうこと。
同じ土地なのに、面積が違ってしまうのは問題です。
これが、大きく異なっていると、修正を求められることがあります。
売却を考えているようだったら、申告前には早めに測量しておきましょう。
土地の取得費
相続でもらった土地を売却する際の土地の取得費(買った値段)は、あくまで故人様が買った値段を引継ぎます。
・相続税の土地の評価額
・相続税
は、基本的には一切関係ありません。
ただし、相続税の申告期限から3年(基本的には亡くなってから3年10カ月)以内に、その土地を売却すれば、支払った相続税の一部を取得費として、税額を少なくすることができます。
(相続財産を譲渡した場合の取得費加算の特例というものです)
相続税が100万円、もらった財産が2,000万円(うち売却した土地1,000万円)とすれば、
100万円 × 1,000万円 / 2,000万円 = 50万円
を取得費に加算することができます。
取得費を売却代金の5%で計算していても、併用することができます。
<大事なこと>
相続税の申告と、その相続でもらった土地の売却の申告は密接に関係します。
段取りが、とても重要だったりします。
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