借入金は利益で返えすものと考えられがちですが、会社に財産があればそれを使って返済することができます。借入金の返済財源について考えてみました。
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利益で返すのが理想だが…
金融機関からお金を借りたときに問題になるのが、その借りたお金をどう返していくかです。
返済財源を考えるときに、真っ先に思いつくのが、利益の中から返すということ。
ただし、借入金の性質から利益で返すことが適正でないものもあります。
ひとつが、運転資金(純粋なつなぎ資金)です。
これは、利益では返すことができません。返済財源は売上代金そのものになります。
また、利益がなかったとしても、資産があれば返済はできます。
損益計算書だけでなく、貸借対照表を見る必要があります。
貸借対照表には、借入金を返済できるヒントがたくさんあります。
資産で返済する
資産で返済するというと、利益がなくお金もないから、モノで返すということではありません
財産性のある資産を所有していれば、いずれ資金繰りに困った時に、換金をして資金繰りに充てたり、借入金の返済に充てたりすることができます。
借入金の返済手段を考えるときに、貸借対照表を確認しましょう。
借入金があるということは、それに見合った資産もあるはずです。
勘定科目内訳明細書とともに、自分がどのような資産があるか精査しておきましょう。
不動産や保険積立金など、いざというときに換金ができれば、それを財源に借入金の返済をすることもできます。
ただし、貸借対照表に記載されている金額は、あくまで買ったときの値段が記載されているだけなので、その金額で換金できるわけではありません。
そのため、決算の時期にでも会社の貸借対照表に載っている資産がどれくらいの価値があるか調べておきましょう。不動産であれば時価がどれくらいであるか、保険積立金であれば今解約したらいくら戻ってくるか…などです。
貸借対照表は会社の財産の状況を正確に表しているとは限りません
手元にあるお金
当たり前の話ではありますが、手元にお金があればそのお金で返済できます。
ところが、この発想はお金を借りて貸借対照表に合算されると、忘れてしまいがちですが、必ず一番初めに考えていきたいところです。
事業をするためには、手元の現金は少なくても月商の2か月、できれば3か月、理想は6か月確保してほしいところです。
例えば現在月商の1か月分の現金しかないので、月商2か月分の現金を金融機関から借り入れを行うことにしたとします。
すると月商3か月分の資金が確保できますが、それと同時に月商2か月分の借入金もできてしまいます。そして、その借入金の返済も必要になります。
その借りたお金は、どうやって返済すればいいか?
その借りたお金で、返していけばいいわけです。
いずれ返済が進んで、借入金が月商の1か月分になると、手元の預金も月商の2か月分になると考えられます。単純に返済が進むと、手元の預金もなくなっていきます。
では、どうすればいいか? また借りればいいわけです。
今度は、月商1か月分の借り入れをすれば、月商3か月分の資金と月商2か月分の借入金と、元に戻るわけです。
これを繰り返していけば、現金の残高が高い水準のままキープできます。
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