車を経費にする場合に考えておきたい利用実態と経済的合理性

独立したり、法人を設立して仕事をする場合、仕事で車を使用するケースがあります。

実際に車の経費はいいのという質問はよく受けます。

私なりの考えをまとめてみました。

(個人)事業割合を適切に

個人事業の場合には、仕事でもプライベートでも使用するようなものというようなものが、存在します。

スマホ代、インターネット代、家賃や住居費、水道光熱費といったものです。車に関する経費も同様です。

こういったものを経費にする場合は、全額が経費になるわけではなく、仕事に使った部分のみが経費になります。

仕事とプライベートで使用している比率を把握して、それに見合った経費計上をしましょう。

利用実態と実際の経費にしている割合が、乖離しているようなことがないようにしましょう。だれに聞かれても、きちんと説明できるようにしておくべきでしょう。

100%経費計上は確実に実態を問われますので、ご注意ください。

法人ならいいのか

一方で、法人の場合には事業供用割合という概念がなくなります。基本的には、100%経費計上が可能です。

それであれば、自由に使えるのかといえばそれは別問題です。法人であっても、基本的には100%仕事に使うことが前提です。

仕事という概念で個人より広く捉えられるので、その分経費にしやすいというくらいです。

よく、本やホームページの記事で、法人にしたほうが100%経費にできるので有利、といった内容のものを見かけますが、必要以上に鵜呑みにしないようにしましょう。

名義は会社だけど、実質はプライベートで使用だと必ず指摘されます。

なお、経費にしやすい反面、税務署に否認された場合の代償は大きいものになります。

車両代金から諸経費まで、すべて賞与扱いになってしまい、かなりの追徴税額が発生します。

経費として認めてもらえない場合に払う税金

法人だから100%経費OKというわけではなく、利用実態は個人・法人ともに重要です。

きちんと説明できる事が大事

車を経費にする条件は、当たり前ですが、まず仕事で使っていることです。

軽自動車であっても仕事に一切使っていなければ経費NGですが、高級車であってもきちんと仕事に使用していれば経費計上はOKです。車種ではなく、利用実態が大事です。

ただし、高級車であればあるほど、税金に与えるインパクトは大きいので、指摘されやすいのが現状です。

基本は100%仕事に使っているのが前提なので、こういったものを経費にしたいのであれば十分な証拠を作っておくべきでしょう。プライベートでは一切使用していないといった切り口でも、説明できるようにしておきましょう(会社の車以外に、経費にしていないプライベート用の車を所持しているなど)。

また、その車を経費にすることに経済的合理性があるかどうかも重要です。

その車があるがゆえに、毎年のように赤字になっていたり、必要以上に利益を圧縮しているような場合だと、やはり不自然さを感じます。

車であっても事業である以上は投資です。投資ということは、その使った以上の金額を回収するということが前提です。投資という観点で見ても、極端な乖離があれば、「税金を減らすためなのでは」と思われてしまいます。

車を経費にするには、利用実態と、経済的合理性を考慮したうえで、他の人に聞かれてもきちんと説明できるようにしておきましょう(「税金が安くなるから」という理由以外で)。

<昨日の出来事>
午前は2時起床(なぜか目がさめてしまい、その後ねむれず)、ブログを。
その後終日の外出。夕方から夜にかけて、お客様との緊急の打ち合わせ。

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