確定申告の時期になって消費税の納税義務に気づいた場合の問題点

このブログでも何度か言っていますが、消費税の納税は高額になりがちです。

そのため、年に1度くらいは消費税についてきちんと考えておきましょう。

消費税は2年前の売上高が1,000万円を超えると、消費税の申告と納税が必要です。

確定申告の時期になって、消費税の納税義務に気づいた場合の問題点をまとめてみました。

納税額が高額になる

消費税は、お客様からお預かりした消費税をベースに計算します。

そのお客様からお預かりした消費税というのが意外と高額です。売上が1,000万円の場合、お客様からお預かりしている消費税は、約91万円です(10%の場合)。

ただし、これを全額納めるのではなく、経費を支払う時に払った消費税を引くことができます。それでも、よっぽどの赤字でない限り、消費税の納税は必要です。利益率が高ければ高いほど、高額になる傾向があります。

また消費税には、売上が5,000万円以下であれば、預かった消費税×60~10%の納税をすればOKという特別なルールがあります(納税のパーセントは業種により違います)。

ケースにより異なりますが、ほとんどの場合には簡易課税を使った方が有利ですが、事前届出制ですので、簡易課税で計算したい年の前年12/31までに届出をしておく必要があります。

ところで、消費税の申告の時期になって消費税を納めなくてはいけないことが分かった場合には、簡易課税の届出は出していないと思われるので、原則課税で計算しなくてはいけません。

そうすると、儲かっていればいるほど消費税の納税額が高額になります。

これに関しては、もう何もすることができません。「簡易課税の届出があればなあ…」と思うケースはとても多いです。これは、無申告で過年度分をまとめて申告する場合も同様です。消費税だけでものすごい金額になるケースもあります。

売上が一度でも1,000万円を超えた場合には、その時に一度消費税について立ち止まって考えてみましょう。

一から集計が必要

消費税を原則課税で計算しなければならないことが分かったとしても、そこから次の問題があります。

所得税の計算とは別に、消費税の集計をする必要があるからです。

消費税を原則課税で計算している場合、消費税の集計が必要です

そのときに、確定申告の決算書がベースになるわけですが、集計のしかたは所得税と若干違ったりします。

消費税の集計をしていない場合には、税務署の無料相談へ行ったとしても、集計のやり方だけ教えられて終わりです。無料相談に応じてくれるのは、集計してあることが前提です。

そして帳簿も所得税の申告書作成の時に作りますが、消費税の原則課税の場合にはもう一工夫必要です。消費税の申告を意識していないと、また一から集計になってしまうのです。

白色申告も青色申告の10万円控除も帳簿は必要です

私は原則受けていません

ところで消費税の申告ですが、他の方はわかりませんが、私は消費税の単発での申告は受けていますが、2割特例or簡易課税の場合のみです。消費税の原則課税の単発の申告は受けていません。

メニューにはありますが、あくまで所得税の申告のオプションという形のみです。

以前は、消費税がかかるものか、かからないものかを選んで集計すればよかったのでさほど難しくなかったのですが、現在では、
・消費税10%
・消費税10%(インボイスなし)
・消費税軽減8%
・消費税軽減8%(インボイスなし)
・消費税なし
と、それに1万円以下かどうかなどと、集計自体が非常に難しくなっているからです。

また、消費税の原則課税の単発の場合、すでに申告済の所得税の決算書をベースにするのですが、その決算書に疑問が生じたときに困ったことがありまして。

原則課税は、日々の積み重ねが大事だったりします。

<大事なこと>
消費税の申告が必要だったことに気づいたのが申告直前だと、
・納税額が高くなる
・計算も一から
・申告のしかたの相談もしづらい
と、デメリットが非常に多いです。
売上1,000万円を超えたときには、十分注意しましょう。

<昨日の出来事>
午前中はとあるイベントごとに少しだけ出席。午後は、お客様の申告の最終確認を。
ランニングを再開しました。7.5kmをゆっくりと。


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