お金を贈与すると、通常は贈与税がかかります。
ただし、生活費や教育費目的での贈与には、贈与税がかかりません。
生活費や教育費のやり取りは贈与税の対象外
多額のお金を渡した場合には、通常もらった側に贈与税が課税されます。
ただし例外で、扶養義務者相互間の生活費、教育費には贈与税はかかりません。
扶養義務者相互間とは、おもに、
配偶者(夫、妻)や直系血族(祖父母、両親、子、孫)、兄弟姉妹
などをいい、その間柄であれば、生活費、教育費目的での金銭のやり取りには、
贈与税がかからないことになります。当然ながら、申告自体も不要になります。
ただし、名目が生活費や教育費のやり取りであっても、
・預貯金として残っていて使われていない、または余っている
・株や不動産や車などを購入している
・あまりにも極端に高額である
場合には、贈与税が課税されてしまいます。
また、贈与税が課税されないためには、必要な都度贈与する必要があります。
「孫が生まれたから、将来の教育費目的で500万円渡す」
「手間がかかるから、4年分まとめて仕送りをする」
などとお金を渡してしまうと、贈与税がかかってしまいます。
あくまで、お金を渡す側は、必要な時に必要な額を贈与する必要があり、
お金をもらう側は、必ず目的に沿って、お金を使う必要があります。
贈与税が課税されない生活費・教育費とは
贈与税が課税されない生活費
贈与されたお金が、生活費に該当すれば贈与税はかかりません。
日常生活に必要なお金のほかにも、
・医療費
・養育費
・結婚式の費用
・出産の費用
・新婚生活に必要な家具・家電
・賃貸住宅の家賃(家を買ってあげるは×)
などがあります。
贈与税がかからない教育費
贈与されたお金が、教育費に該当すれば贈与税はかかりません。
教育費は、子や孫の入学金や授業料といった直接的な学費に限らず、
・教材費
・通学のための交通費
・修学旅行費
・文房具代
など、幅広いものにも適用できます。
贈与税は課税されなくても証拠は残しておくべき
ただし、生活費と教育費でのお金のやり取りに贈与税がかからないとはいっても、
金額が高額になる場合には、きちんと証拠を残しておいたほうがいいです。
直接現金でやり取りをしてしまったり、領収書を捨ててしまったりすると、
教育資金のための贈与なのか、通常の金銭の贈与なのか、区別できなくなってしまいます。
税務調査があった場合に、証拠がなかったばかりに、
税務署ともめてしまったり、証拠集めに無駄な時間を割かなくてはならなかったり
(領主書を再発行してもらうなど)、最悪、本来納めなくていい贈与税を支払わされる
ことになる場合があります。
(贈与税の税務調査というより、相続税の税務調査で確認されることが多いです。)
そのため、
・お金を贈与するのでなく、お金を渡す側が直接支払う
・領収書などをきちんと取っておく
・何に使ったかを記録しておく(通帳にメモ書きでもOK)
・支払いは現金でなく、なるべく振込む(履歴が残るため)
・場合によっては、教育資金用の別口座を作っておく
ことで、後日贈与税がかからないお金のやり取りであることを、
説明できるようしておくことで、
後日、無駄な相続税や贈与税を回避することができます。
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