法人が配当金をもらった場合の取扱い

法人であっても株式を所有すれば配当金をもらうことができます。

配当金をもらった場合の取扱いの処理はけっこう特殊だったりします。

配当をする側の取扱い

法人を設立して利益が出れば、その利益を株主に配分するために配当をすることができます。

上場企業であればほとんど当たり前のように行われていますが、これは上場会社だけができることではありません。自分で設立した会社であっても配当金を分配することは可能です。

ただし、自分で設立した会社であれば、法人の株主=社長というケースがほとんどなので、配当金でもらうより、給料としてもらった方が税金上は恵まれています。

給料の場合には法人の経費になり、その分利益が少なくなり法人の納める税金が少なくなります。

一方で、配当金の分配は経費にすることはできません。

利益が出る → その利益に対し税金を払う → 残ったお金で配当をする

という流れになり、配当をしたからといって法人の税金は少なくなりません。

中小企業でも配当はできますが、お勧めはできません

配当をもらう側の取扱い

中小企業であっても、株式を購入して配当金をもらうこともあるかと思います。

もらった配当金は単純に、法人の収入・・・とはならないのです。

法人が配当をしたときに経費にならないことから、配当を受けた場合にも一部収入にしなくていい取扱いがあります。

株式の種類によって収入にしなくていい割合は異なりますが、上場株式であれば配当金総額の20%を収入にしなくていいことになっています。

配当金を10,000円(所得税1,531円引かれて手取り額8,469円)もらった場合には、

配当金総額の20%である、2,000円を収入から除外することができ、その分の税金が少なくなります。

収入に計上しなくていい割合は、株式の保有割合によって決まり、おおまかにいうと以下のとおりになります。

株式の保有割合 収入に計上しない割合
100% 100%
3分の1超 100%
5%超 50%
5%以下 20%

100%完全子会社であれば、配当金を受け取っても全額収入に計上の必要はありません。

ところで、会計ソフトにはといえば全額収入に計上してください。

その上で、申告書の別表8というもので利益を少なくします。

源泉所得税の取扱い

ところで、配当金をもらうと15.315%を源泉所得税として天引きされます(法人の場合には住民税は引かれません)。

源泉所得税は経費にはなりませんが、直接法人税から減額することができます。

源泉所得税として天引きされたものの取扱いは利息の時と同様です。

銀行から利息をもらったときの取扱い

上場会社の配当金を10,000円(所得税1,531円引かれて手取り額8,469円)もらった場合には、

① 手取り額8,469円を受取配当金として収入に計上する

② 源泉所得税1,531円は税金計算上経費にならないので、申告書で収入にプラスする。
(収入を税金計算上プラス1,531円)

③ 配当金は税金上20%収入にしなくていいので、申告書でマイナスする。
(収入を税金計算上マイナス2,000円)

④ 最終的に計算した法人税から、源泉所得税として納付した1,531円をマイナスする

といった処理が必要になります。

意外とややこしいですね。

<大事なこと>
配当を受け取った場合には、配当金の収入は一部収入にしない処理と、源泉所得税の取扱いの2つが必要になります。

<昨日の出来事>
午前中にはちょっとしたお買い物と庭の手入れを。
夕方にはランニングで手賀沼を半周12kmほど。だいぶ涼しくなりましたね。


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