無借金経営のデメリット

借入金はなければない方がいいに決まっているようですが、けっしてそんなことはありません。
お金を借りていない場合のデメリットについて考えてみました。

お金を借りていないメリット

お金を借りていない一番のメリットは、利息を払わなくてすむことでしょうか。
もし、十分なお金があるのであれば、利息というものは無駄な経費とも考えられますので。

お金を借りなくてすんでいる一つの理由として、業績がいい場合もあるでしょう。

そして、借金という恐怖がなくなるのも一つのメリットでしょう。
借金という言葉は、あまりいいイメージがないもの事実ですから。

お金を借りていないデメリット

お金を借りていなかった場合のデメリットは、お金を借りにくいことがあります。

その時に、金融機関からお金を借りている会社と無借金経営の会社との違いは信用です。

常日頃から金融機関からお金を借りている会社は、「お金を貸したら、利息をつけてきちんと返してもらえる」という実績があり、その会社と金融機関との信用関係というものがあります。

一方で無借金経営の場合には、「お金を貸したら、利息をつけてきちんと返してもらえる」という実績もなければ、その会社と金融機関との信用関係もありません。

そればかりか、金融機関は無借金経営の会社が急にお金を借りたいといってきた場合には、「どこからもお金が借りられないからウチに来たのだろう」と警戒される傾向にあります。

実質無借金経営を目指す

無借金経営の会社は、利息という経費もなく、借金というストレスもないので、いいことだらけに感じますが、資金調達の方法がほとんど銀行融資である中小企業にとっては、金融機関とのパイプがないことのデメリットは大きいです。

それであれば、無借金経営でなく実質無借金経営を目指していきましょう。

実質無借金経営とは、手元資金>借入金である状態のことをいいます。
つまり、お金を借りているけれども、それ以上のお金を持っている状態です。
形式上は金融機関からお金を借りているけれども、実態は金融機関にお金を貸している状態です。

手元資金2,000万円、借入金0円であれば、
手元資金3,000万円、借入金1,000万円といった感じです。

借りる金額は、必要な資金があるならば少額でも構いません。
手元資金が少なければ、それに合わせてお金を借りるのもOKです。

中小企業は多めにお金の確保することが大事

ただし、相手もいることなので希望通りの金額を借りることはできないかもしれませんがそれでOKです。借入をして返済実績を積むことを目的だからです。

借入金ができてしまうことから、利息を払わなくてすむメリットはなくなりますが、
次のような実質無借金経営のメリットを受けることができます。

・手元資金もあるので、つぶれにくい
・手元資金があるので、資金繰りに困らない
・金融機関との良好な関係を築くことができる
・お金が必要になった時に、速やかにお金が借りやすい
・借入金は信用の証→ほかの金融機関からもお金を借りやすくなる→資金調達の幅が広がる

ただし、手元資金>借入金ということは、手元資金で借入金全額が返済できてしまいます。
利息を払うのがもったいないからと、繰り上げ返済をするのはもちろんNGです。
実質無借金経営で得たメリットをすべて放棄することになります。

それどころか、繰り上げ返済のデメリットを受けることになります。

事業資金の繰り上げ返済はNG

繰り上げ返済すれば、自己資本比率アップもしますが、中小企業の場合にはさほどのメリットはありません。経営戦略としては、NGです。

自己資本比率を重視するより、現金残高の重視をしたほうがいい

<この記事での考え>
一見よさそうに見える無借金経営のデメリットをあげてみました。利息はもったいないかもしれませんが、ある程度の借入をしておき、金融機関との関係を維持しておきましょう。


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