相続税の申告は税理士に依頼したいけども、けっして費用は安くはありません。
税理士に頼んだ方が相続税が安くなることもありますが、状況によっては、自分で申告しても変わらない場合もあります。
税理士から見て、自分で申告してもいい場合についてまとめてみました。
(けっこう詳しく書いてあります。128ページほどありますが…)
財産がほとんど現金や預金
財産の評価の方法というのは、財産評価基本通達というものに書いてあります。
評価は基本的にはそれに当てはめていけばいいことになります。
現金や預金は、そのまま亡くなった日現在の残高ということになります。
通帳に書いてある金額、そのままということになります。
そのため税理士が申告しようが、相続税を知らない人が申告しようが数字は変わりません。
いくら税理士であっても、これを少なく評価できる人はいません。
ただし、亡くなる直前におろしたお金は、残っているはずなので現金に計上しなければならない場合があるなどの注意点もあります。
土地が自宅のみできれいな形をしている
財産に土地がある場合にも、相続税ではいくらの価値があるかを計算しなければなりません。
計算方法については、財産評価基本通達に書いてあります。
一番多いのが、路線価×面積というパターンなどではないでしょうか。
それに加えて、土地の形や大きさによって減額ができます。
減額方法についても、財産評価基本通達に書いてあります。
減額ができない場合は、
・土地の形がきれいな正方形、長方形
・目の前の道路が広く、接している距離も多い
・面積が大きすぎない
・高低差がない(要は平ら)
といった場合です。
いくら税理士であっても、条件が整った土地で減額要素がなければ、路線価×面積になってしまうこともあります。
条件が整っていると減額できないため損した気分になるかもしれませんが、使い勝手がよく価値の高い土地であることの裏返しでもあります。
財産をすべて配偶者(妻・夫)が引き継ぐ
相続税は、財産の総額が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)以上であれば申告が必要になります。
ただし、財産の総額が基礎控除額を超えていたとしても、
・亡くなった方の財産が1億6千万円以下
・すべて配偶者が財産を引き継ぐ
のであれば、相続税の納税はありません(申告は必要ですが)。
この場合、相続税の負担を少なくしようと、財産の評価をていねいにしても、多めに計上したとしても、財産の総額が1億6千万円以下であれば、相続税が0円という結果は同じ事になります。
万が一、少なく申告してしまった場合でも、結果1億6千万円以下になってしまうようだったら、納税はないので、税務調査の可能性は低いのではないでしょうか。
結果、税理士が申告しなかったとしても、納税が0円になるのであれば、ご自分でチャレンジしてみるのもいいかもしれません。
ただし、2次相続があった場合には、この特例は使えなくなります。
2回の相続でトータルでは相続税を多く払う場合もあります。今回だけでなく、先のことも考えて申告したいのであれば、税理士にお願いしたほうがいいかもしれません。
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