以前に賞与の計算方法について、このブログでも書いたことがあります。
通常はこの計算で問題ないのですが、給与×10か月以上(厳密には社会保険料控除後の金額×10)というような独特な支払い方をする場合には、社会保険料の計算方法は同じですが、源泉所得税の計算方法が変わります。

特殊な計算方法をする場合の判定
賞与を計算する場合の社会保険料の計算は、通常と変わりありません。
そして、賞与から天引きする源泉所得税を計算するのですが、これを計算するのに使う数字が
①前月の給与の社会保険料控除後の金額
②今回の賞与の社会保険料控除後の金額
の2つです(ここも同様です)。
ただし、①×10<②のなっている場合には、特殊な計算方法に進みます。
なお、求人を見ても賞与は多くても6ヶ月分(年間)であることが多いので、
賞与=月給×3くらいが相場だと考えられます。そういったこともあり、通常の従業員の方であれば、まず該当することはありません。
×10倍の源泉所得税の計算
通常の賞与だと、前月の社会保険料控除後の給与をベースに、税率を求めて計算します。
ただし、この特殊事例に該当(賞与>月給×10)すると、以下の通りの計算方法になります。
次の事例に合わせて、説明していきます。
| 支給金額 | 社会保険料 | 社会保険料控除後の金額 | |
| 前月の給与 | 100,000 | ▲14,640 | 85,360(A) |
| 賞与(年1回支給) | 10,000,000 | ▲469,017 | 9,530,983(B) |
(1)この特殊計算方法が必要かどうか確認する
賞与(社会保険料控除後)(B) > 前月の給与(社会保険料控除後)(A)×10 であるかどうかを確認します。
9,530,983(B) > 853,600(85,360×10)であるので、特殊な計算方法が必要です。
※社会保険料控除後での判定になりますのでご注意ください
(2)賞与(社会保険料控除後) ÷ 賞与の計算期間(12 or 6)を計算する
9,530,983 ÷ 12 = 794,283
(3)(2)+前月の給与(社会保険料控除後)
794,283 + 85,360(前月の給与) = 879,608
(4) (3)の数字を「源泉徴収税額表の月額表」にあてはめる
扶養が0であれば、102,932円です。
(5) ((4)− 前月の給与の源泉徴収税額)×計算期間
102,932 × 12 = 1,235,184
かなりややこしいですが、このように計算します。
通常通りの賞与の計算方法だと、0円になるので、結果が全く違うので気をつけましょう。
この特殊計算方法の注意点
この計算を見ると、毎月の給与と賞与のバランスが非常に悪いかと思います。
こういった事例があるのかといえば、たまに見かけます。
これは、給与を賞与に多く割り振ることで、社会保険料の上限を利用することにより、社会保険料を削減するという一種のスキームです(推奨したいわけでないの詳細は割愛します)。
これを利用すると、この計算方法が必要なわけですが、おそらく通常の従業員はこの計算をすることはなく、自分が経営している会社の社長が利用していることが通常です。
そういったこともあり、事前確定届出給与を利用するものと思われます。
・支給日
・賞与の支給額
・届出がきちんと提出しているか
をきちんと確認しましょう。
上記の例で1,000万円もの賞与を払うわけですが、ちょっとでもまちがえると、役員であるがゆえに経費にできなくなってしまい、300万円近くの法人税をムダに払うことになります。
もちろん、それ以外にもリスクはありますので、気をつけましょう。
ちなみに、私は推奨していません。あくまで、計算方法のみご確認ください。
<昨日の出来事>
午前は届出の提出、決算書の提出チェック、自分のお金の管理など。
午後はランニング20km。
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