純資産の2つのみかた

貸借対照表の右下に純資産というものがあります。

この数字は一体どういったものなのか、まとめてみました。

資産から負債を引いたもの

純資産は、単純に資産の金額から負債の金額を引いたものです。会社にある実際の財産はいくらあるかというものを示したものです。

単純に、資産として現金500万円、負債として借金が200万円あれば、その差額が300万円となりこれが純資産となります。

この純資産の数字がプラスであれば、会社のものをすべて換金し、残っている支払いを全てしてもお金が残る状態です。

一方でマイナスであれば、会社をやめたときに負債（借金）が残ってしまうということになります。これが債務超過という状態です。

簡単な例を示せば、資産として現金200万円、負債として借金が500万円というような状態です。

この状態がよくないというのは、一目瞭然でしょう。

まずは、この数字がプラスになっているかどうか確認してみましょう。

資本金＋過去の利益

純資産というものは、資本金というものと、繰越利益剰余金というものがメインで構成されています。

自己株式の取得や準備金の積立、配当といった資本取引がなければ、

純資産＝資本金＋繰越利益剰余金です。

資本金というものは、会社を設立したときに会社に投じたお金です（追加していなければ）。

一方で、繰越利益剰余金というものは、設立してから現時点まででの法人税などの税金を払ったあとの利益の合計です。

繰越利益剰余金がプラスであれば、設立してから今までの会社の利益がプラスであることを意味しています。逆に、この数字がマイナスであれば、設立してから今までの会社が赤字であることを意味しています。

さらにこれが債務超過となると、過去の赤字が累積して、最初に投下したお金も食い尽くしてしまっているという見方ができます。

純資産の数字をどうすべきか

この純資産の数字は、銀行融資の有利不利に大きく影響します。

借入金の返済の財源は、利益か資産です。

純資産がマイナスということは、会社の資産で返すことは難しくなります。また純資産がマイナス＝会社が累積して赤字であることを意味しており、利益でも返すことは難しいとも判断されます。

その点からも、まず純資産をプラス、つまり債務超過にならないことが大事です。

では、純資産が大きすぎるのはどうか。

純資産が大きいということは、会社も利益体質であり、財務状況がいいことを表しています。

最終的な目標が第3者に売却を考えているのであれば、純資産の数字が大きい方がいいです。より高く売れることが見込まれますので。

ところが、会社を身内で継続したい、身内でなくても従業員などに譲りたい場合には注意が必要です。株を相続や贈与で渡すことになるでしょうが、その時の相続税や贈与税の負担が大きくなってしまいます。

会社をがんばって税金を払いながら大きく成長させたことに比例して、次の代に引き継ぐ際に相続税や贈与税も増えてしまうという、悲しい結果になることが起きてしまいます。

会社の純資産を増やしすぎない＝利益を出しすぎないという、このコントロールが難しいところですが、

・役員報酬をきちんと取る
・計画的に退職金をきめておく
・銀行融資を活用する（過度な無借金経営を目指さない）

といったことから考えていきましょう。

＜昨日の出来事＞
午前は新規のお客様の書類整理、会計の入力。
午後は年調作業と、車の洗車。