従業員がいる場合(ひとり会社の社長で自分に給料を払っている場合も含む)には、給料を支払う際に、その方から税金や社会保険料を預かって、代わりに納付する必要があります。
主に源泉所得税、住民税、社会保険料と3つのお金を預かることになりますが、その際に使う勘定科目が預り金というものがあります。
預り金を合わせるためには、今いくらなのかをきちんと把握しておく必要があります。
源泉所得税
源泉所得税は従業員の給料から決められた額を天引きして、その天引きした金額を給料支払日の翌月10日までに納税する必要があります。
給料を25日に30万円を払って、5,000円を源泉所得税として天引きした場合には、会社としてはその5,000円を従業員から単に預かっている状態です。
仕訳とするとこのようになります。
現金 5,000 / 預り金 5,000
そして、預り金という勘定科目に5,000円が計上されます。
そして、翌月の10日にこの5,000円を納付した場合には、
預り金 5,000 / 現金 5,000
となり、預かっているお金はなくなったことになります。
源泉所得税の預り金の特徴として、預かったお金を納税した時に預り金の残高が0円になることです。理由は源泉所得税の納付というものは預かったものを、ただそのまま納付するだけだからです。
0円にならないケースとすれば、
・納付の前に次の給料日がある(5日払いなど、払った時点で1か月分必ず残る)
・年末調整で納税額<還付額となった(立て替えた分、マイナスとして残る)
といった場合もあれば、
・預かったお金が間違っている
・給与計算が間違っている
・納付した金額が間違っている
・会計ソフトの入力が間違えている
といったことも考えられます。
源泉所得税の預り金を合わせるためには、必ず今いくら預っているかを考えておく必要があります。
住民税
住民税についても、源泉所得税と同様です。
ただし、住民税は5月頃になって、年末の時点でいた従業員がそのまま残っている前提での納付書がきます。
途中でやめた方がいるにもかかわらず納付書通りに納付してしまうと、やめた方の住民税も納めてしまうことになってしまいます。天引きして預ることができないので、十分気をつけましょう。
給料計算して天引きする住民税の金額と、その後に納付する金額にズレがないように気をつけましょう。
ちがう場合には、納付書の金額を訂正して納付するようにしましょう。もちろんやめた方の手続きも必要ですが。
そのうえで預り金が正しいものになるか確認しましょう。
社会保険料
社会保険料については、上記2つとは処理が若干異なります。
預るところまでは同じですが、預かった金額に加えて会社負担分を支払う必要があるからです。
ところで、社会保険料の預り金処理についてもあわせるのが非常に大変です。
そのため、社会保険料を預かった場合には、
現金 10,000 / 法定福利費 10,000
と、預り金でなく経費のマイナス項目として取り扱う方が非常に楽です。
また社会保険料の支払い時には、
法定福利費 21,000 / 現金 21,000
と処理すれば、社会保険料として経費に計上されるのは11,000円、つまり会社の負担分だけ計上することができます。
本来的には正しい処理ではないですが、手間は大幅に少なくなるのでおすすめです。
<大事なこと>
預り金は、試算表にのっている数字がいくらであるかを意識しておきましょう。
ちがう場合には、どこか間違っているおそれがあります。
<昨日の出来事>
午前中にブログ、ランニング7km、かなり暑かったですね。
午後は、法人決算のまとめを。
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