法定相続情報を使えば相続の際には効率的

相続があった場合、相続人を証明する書類が必要になります。
本来は戸籍謄本の束が相続人を証明していましたが、法定相続情報証明制度を使えば、相続人を証明する書類が1枚で済ますことができます。


(税理士にはあまり縁のない場所です、私も2回目…)

相続人の証明を戸籍謄本で行うデメリット

相続が起きた際に、各種解約や名義変更をする際には、相続人が誰であるかを証明する書類が必要になります。その際に必要になるのが、市役所などで入手できる戸籍謄本です。

相続人を確定させるのに必要な書類

しかし、相続人が誰であるかを証明するには、戸籍謄本だけでも結構重くなります。
直近の相続でも、36枚ほど…。意外と重いです。

また、相続手続きは意外と時間がかかります。1つの金融機関でも1~2週間ほどかかります。
原本自体は返してくれますが、コピーを先に渡すことはNGです。

また手続きを郵送でする場合には、原本の返却自体も遅くなります。
そのため戸籍謄本1組ではとても時間がかかります。

同時に進めるには、何組かの戸籍謄本の束を取得すればいいのですが、今度は費用の方がかかります。人にもよりますが、1組集めても5,000円以上するのがほとんどではないでしょうか。

戸籍謄本という書類自体、とても分かりずらいものです。
何が書いてあるか、よくわからないですし…
2組以上あった場合に、書類自体混じってしまうと組み合わせを直すことすら大変です。

法定相続情報証明制度とは

法定相続情報制度とは、法務局に相続人が誰であるかを登録することで、相続人を証明する書類が1枚で済む、とても便利な制度です。

相続人を証明する書類(法定相続情報一覧図)の登録も発行自体も今のところ無料です。

登録が完了するまで2週間ほどかかりますが、その後は戸籍謄本の束でなく法定相続情報一覧図1枚で手続きが可能になります。

もちろん、相続税の申告の際にも戸籍謄本に変えて、法定相続情報一覧図を使うことができます(一覧図作成の仕方に条件はありますが)。

法定相続情報一覧図の申請

法定登録情報の申請は、
書類を集める→一覧図を作成する→法務局に申請する→2週間ほどで完成
といった手順です。

必要な書類は以下のとおりです。
・申出書
・法定相続情報一覧図
・亡くなった方の生まれてから亡くなるまでの戸籍(除籍)謄本
・亡くなった方の住民票の除票(または戸籍の附票)
・相続人の戸籍謄本(現在のもの)
・申出人(相続人の代表)の氏名・住所が確認できる書類(住民票など)

他にも、一覧図に住所を記載する場合には、住民票が必要です。

申出書や、法定相続情報の一覧図は法務局のHPにフォーマットがありますので、これをもとに作成できます。

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作成場所は、
・亡くなった方の本籍地 or 最後の住所地 or 亡くなった方名義の不動産の所在地
・申出人の住所地
のいずれかを選ぶことができますが、取りに行く際のことを考えれば、申出人の住所の管轄する法務局が無難です。

提出は、窓口持参か郵送です(ネットではできません)。
不備があれば連絡が来ますが、何もなければ2週間程度で完成します。

受取も、窓口か郵送が選べます。
ただし、郵送の場合は返信用封筒(切手を貼っておく)を用意する必要があります。
基本的にはすべて返却されるので、提出した書類分の重さの切手を貼っておく必要があります。

法定相続情報を登録するデメリットは、
・時間がかかる
・相続手続きに対応していないところがある
くらいです。

戸籍の束を持って、相続手続きをするのは結構な負担です。
法定相続情報を作成しておくことで、少しでもシンプルに相続手続きができます。


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