消費税の中間納税は、前期の決算が終わった時点で、いついくら払うか決まっています。
決算と申告が終わって安心せずに、次の中間納税の確認をしておきましょう。
特に、消費税の中間納税は、赤字であっても支払う必要があることが多く、
場合によっては、会社の資金繰りにも大きく影響します。
消費税の中間納税
消費税の中間納税とは、今期に納めるであろう消費税を、決算期の前に概算額をあらかじめ納税することです。
いついくら納めるかは、前期の納めた消費税をもとに、下の表のように決まっています。
去年納めた消費税 | 回数 | 金額 |
48万円以下 | 中間納税はありません | |
48~400万円 | 半年に1回 | 去年の消費税の半分 |
400~4,800万円 | 3か月に1回 | 去年の消費税の4分の1ずつ |
4,800万円超 | 毎月 | 去年の消費税の12分の1ずつ |
いつ納めるというのは、その2か月後です。
半年であれば、半年たってからその2か月後までに納める必要があります。
個人事業主の半年に1回であれば、期限は8/31までとなります。
ただし振替納税であれば、9月下旬あたりに引き落とされます。
消費税の中間納税のやり方はもう一つある
消費税の中間納税は、前期の納税額によって決まるのですが、万が一金額が大きくて払えない時もあるかもしれません。
前期の業績が良すぎた場合や、今期の業績がよくない場合が当てはまります。
このような場合には、半年分や3か月分、毎月分の実際の消費税を計算して、納めることも可能です。
注意点としては、このようなことがあります。
・申告の手間はかかる
・実額の計算が、前期の納税より多かったら、前期の納税額を基準にした金額になる
・期日に間に合わなかったら、前期の納税額を基準にした金額になる
・還付になることはない(マイナスだったら0円)
・そもそも試算表ができていることが前提
なお、消費税の中間納税は納税だけでなく、申告をしなければならないことにはなっていますが、
これは必要ありません。
申告をしなければ、前期の納めた消費税をもとに概算額で申告したことになるからです。実額で申告がしたい場合のみ、申告が必要になります。
ただし、納税だけはお忘れなくお願いします。
資金繰りを悪化させないために
消費税の中間納税は、いついくら払うかは決まっています。
顧問税理士がいるようでしたら、決算終了後には必ず確認しておきましょう。
そして、業績が思わしくなくても、支払う金額が大きいことが特徴です。
税務署から納税のお知らせが来ても、あわてて金策に走ることがないように、あらかじめ、年間の資金繰り計画を組んでおく必要があります。
消費税は、お客様からの預り金という性格があることから、消費税の納税資金としての融資は受けることができません。
また、消費税の中間納税が少ないからといって、安心してもいけません。
消費税の中間納税が少なければ、最後の決算期に大きな納税が待ち受けていることもあります。
消費税の納税の予測は、さほど難しくないので、毎月確認しておいた方がいいでしょう。
消費税は納税が多額になることが多いので、計画的に蓄えておきましょう。
今年からインボイス制度が始まりますので、原則課税の場合は多少の納税額が増えることが予想されます。インボイスに登録していない免税事業者との取引している金額が大きい方は、特に気をつけておきましょう。
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