事業をする上でいくらお金を確保したらいいかということで、平均月商の3か月分を確保した方がいいとお伝えしています。現時点でこれだけの資金を確保していないのであれば、銀行からお金を借りることで確保しておくことをおすすめしています。
もし、銀行から借金するのがイヤな場合は、利益を上げてお金を増やすことになりますが、その問題点を、月商1,000万円 現預金1,000万円の会社を例にまとめてみました。
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利益+納税分が必要
お金を増やす手段のひとつに、利益を上げる方法があります。そうすれば借金をしないでお金を増やすことができますが、とてつもなく時間がかかります。
月商1,000万円 現預金1,000万円の会社を例にすれば、月商の3か月分のお金は3,000万円、それに対する不足資金は2,000万円です。
では2,000万円の不足資金を確保するのに、2,000万円の利益をあげればいいのかと単純に考えそうですが、それでは足りません。
利益には税金がかかりますので、2,000万円+納税分が必要です。
1年で2,000万円のお金を貯めるには、3,000万円近い利益が必要です。3,000万円の利益で990万円の納税、手元に残るのが2,000万円という計算です。
月商1,000万円、年商1.2億円の会社が1年で3,000万円の利益を上げるのは…、ほぼ不可能ですね。
時間がかかる
では、5年に分けて少しずつためるのはどうか?
5年だと400万円ずつ、つまり毎年540万円くらい利益を上げればいいことになります。
540万円の利益だと税金が135万円、手元に400万円くらい残ります。
数字的には現実ですが、5年ととても時間がかかります。
また、数字的には可能そうですが、お金を貯めることに徹していますので、設備投資が必要になってもできません。お金を貯めることが目的になってしまっているので、設備などにお金をかけず、自分や社員の給料を抑えたりするなどの無理な経営計画になってしまいます。
またそもそも、毎年利益が上がるとは限りません。それがわからないから、お金を確保しておいた方がいいという話なのですから。
お金を借りた場合どうか
では、銀行からお金を借りた場合はどうか。
2,000万円を5年返済で借りれば、その時点で月商3か月分のお金を確保できます。その後は、お金に余裕があるので、無理な計画を立てることなく行動できます。
とはいえ、毎年400万円返済をしなければいけないので、利益を540万円(手残り400万円)上げないとお金は少しずつ減っていきます。
そうすると、返済分の利益をあげなければいけないのかと言えばそのようなことはありません。確かに、毎年の返済分以上の利益がなければ、お金が減っていきます。そのような状態になった場合には、また銀行からお金を借りればいいだけです。
返したお金をまた借りれば、また高水準の残高をキープできます。銀行からの借入金の残高は減りませんが、同様にお金の残高を高水準に維持することが可能です。
これに対するコストは、利息です。2%で借りていると年間の利息が40万円。高いように感じるかもしれませんが、月にすると33,333円です。月商1,000万円であれば、その割合は0.33%です。
ポイントは、銀行からお金を借り続けることです。無理して利益をあげなくても、会社の資金繰りは安定します。借入金は減りませんが、お金の残高も高水準で維持ができます。
<大事なこと>
お金を借りることで得られるメリットは、
・時間
・無理のない経営
・安心
です。そのコストが利息と考えれば、利息も安く感じるのではないのでしょうか。
<昨日の出来事>
昨日はブログのみで、その後はオフ。
ランニングは7.5km。
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