事業を行う上で、最低限必要な売上高を把握しておきましょう。
最低限必要な売上高は、
経費を把握する(変動費、固定費に分ける)
→損益分岐点を把握する
→自分に必要な利益から、売上高を逆算する
といった手順で、計算することができます。
無理な売上目標を掲げる必要もなくなり、気持ちの負担が減ります。
経費を、変動費と固定費に分ける
変動費とは
変動費とは、売上高の増減に比例して発生する経費です。
飲食業であれば、食材費
製造業や建設業であれば、材料費や外注費などが該当します。
業種によっては、変動費が存在しないものもあります。
(私の税理士業でも、変動費がありません)
売上高と変動費の関係をグラフにすると、このような感じです。
固定費とは
固定費とは、売上高の増減にかかわらず発生する経費です。
つまり、売上高が0円であってもかかる経費ということになり、
売上高が0円であれば、固定費分だけ赤字ということになります。
売上高と固定費の関係をグラフにすると、このような感じです。
実際には、ここまできれいにはなりませんが、売上に関係なくほぼ一定になります。
代表的な固定費は、人件費と家賃です。
厳密にいうと、売上が多いときには、残業代など払わなければならないので、
変動費ではないかと考えがちですが、1年で平均するとさほど変動がない場合が多いので、
固定費として扱います(細かく分析する場合は別ですが)。
また、売上高の増減に比例して発生する経費であっても、
金額の少ないものはすべて固定費として考えましょう。
(変動費以外は、すべて固定費と考えてもいいです)
損益の分岐点がわかる
このように、経費を変動費と固定費に分けることによって、
売上高がいくらになれば、収支がトントンになるか把握できます。
例えば、固定費が140、変動費が100円につき30円かかる(利益率30%)とすると、
売上が0で、0-140=-140(140の赤字)
売上が100で、100-(140+100×30%)=-70(70の赤字)
売上が200で、200-(140+200×30%)=0(収支トントン)
売上が300で、300-(140+300×30%)=70(70の黒字)
となり、売上200が赤字と黒字の境目となります。
グラフにすると、このようになり、売上が200の時点で、経費(変動費+固定費)
を上回り、利益が出ることになります。
必要な利益を確保するための売上高がわかる
あとは、自分の必要な利益を決めることによって、
自分に必要な売上高がわかることになります。
自分の必要な利益ですが、
・個人事業主であれば、自分の給与が固定費に含まれていないため必要な利益に加算
・借入金があれば、その返済分を必要な利益に加算(借入金は経費でないため)
する必要があります。
細かい計算は省略しますが、
必要な売上高 =(自分の必要な利益+固定費)÷(1-利益率)
で計算できます。
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