相続税の評価は時価より安くなることが多い、お金じゃない方がいいのか?

相続税の財産評価をするときは、時価で評価するのが原則です。

ただし、時価とはいいつつもすべてのものに値段がついているわけでないので、値段をいくらにするかが問題になります。

そのため、相続税を計算する際には、財産評価基本通達なるものによって評価しますが、時価より高くなってしまうと税金をかけるうえで公平でなくなってしまうので、通常は時価よりは安くなります。中には、7割や8割になるものもあります。

相続財産のメインである、株・不動産・お金について相続税の評価とその自由度について考えてみました。

株の場合

上場株式の場合には株式市場というものが存在するため、亡くなった日現在の値段というものがわかります。その日の値段が時価ということになります。

しかし、株式市場はその時の経済の流れやちょっとしたニュースなどから株価が跳ね上がってしまうことがあります。

なので、亡くなった日の時価で評価してしまうと、たまたまその日の株価が高かったりすることもあることから、月平均の株価(その月、前月、前々月)を利用して評価してもいいことになっています。

これにより相続税の評価額が時価より高くならないようになっています。

相続税での上場株式の評価のしかた

故人様が上場株式を持っていた場合の配当金の取扱い

株の場合には、換金はしやすいためか時価と相続税評価の差は少ないかもしれません。
ただし、株の場合にはそれ自体の価値が上下しやすいので、そちらは注意しておく必要があります。

不動産の場合

不動産は、土地は路線価方式や倍率方式によって、建物は固定資産税評価額をベースに計算します。

相続税で土地を評価するには

土地の評価は時価の70~80%に、建物は時価の40~70%程度に落ち着くことが多いです。

基本的には売ることを前提としていませんので、値段が存在しません。つまり時価がありません。そして、不動産の場合には、全く同じものが存在しないため、すべての土地の価値が違います。

売値の目安はあるものの、最終的には売り手と買い手の交渉によって値段が決まります。そのため、時価よりも高く売れることも安く売れることもあります。

相続税の評価は時価であるにもかかわらず、平均的な相場の7~8割程度に抑えられています。
値段がない以上、平均的な相場の7~8割くらいにしておけば時価を超えないだろうという理屈です。

不動産を買うことが相続税対策のひとつと言われるのはそのためです。

だからといって、相続税対策だけで必要もない不動産を買うのはおすすめしません。

不動産はお金に換金するのは大変です。

お金なら分けることは簡単ですが、不動産は簡単には分けることができません

維持費もかかります。

不動産では相続税の納税は基本的にはできません。

その不動産は相続人の方は必要でしょうか?

相続税対策になるだけで、相続対策とはなっていません。
かえって複雑になってしまうだけです。
ましてや、お金を借りて…なんていうのはやめておきましょう。

お金を借りてマンションを建てると相続税が安くなるとはどういうことか?

お金の場合

ではお金は…、さすがにそのままですね。1円は1円、1,000万円はやはり1,000万円です。

相続税だけを見れば他の財産だと、時価より安くなるので不利に感じるかもしれません。

しかしお金が一番自由度があります。

相続した財産がお金だけなら、相続税を払えないといった事態は起きません。
(故人様の財産の一部を相続税として納める形なので…)

お金は他の財産と違って、価値を考える必要がないので遺産分割の面でも楽です。もめごとが起きる可能性も少なくなります。

もちろん、生前にお金がある方が生活にゆとりができます。
相続税対策に余計なモノを買ってしまったら生活できないなんて本末転倒です。
自分のお金ですので、自由に使っていただき楽しい生活を送ってほしいです。

相続税の計算上は不利ですが、お金のままの方が安心です。

<大事なこと>
お金以外の財産は換金するのが難しくなればなるほど、相続税は安くなりますが自由もなくなってしまいます。

<昨日の出来事>
車のエアコンフィルターの交換をと思ったのですが、2時間近く格闘したのちムリそうだったので、近所のオートバックスへ。40分で終わりました、さすがプロですね。ランニングはペースを上げて7km。


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