今年、個人事業を始めたものの、思ったより軌道に乗らなかったなどの理由で利益が思ったよりないケースということもあります。
こういった場合、あえて今年の経費にせず、先送りできるものはやっておきましょう。軌道に乗ったときの税負担が多少少なくなります。
来年以降、利益が出ることを期待した処理を考えてみました。

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開業費
個人事業を始める場合に、事業開始前の経費があれば、その分も経費にすることができます。
事業開始前の経費については、事業開始した年の経費にすることができますが、開業費という資産に計上することによって、翌年以降の経費にすることも可能です。
万が一、今年の利益が少なかったり、利益はあっても所得控除を切り捨てるような場合には、開業費計上を検討してみましょう。
翌年以降、事業が軌道に乗ることを期待することも大事です。
その時には、税負担も大きくなるので、その時に経費にしていきましょう。
少額減価償却資産
30万円未満のモノを購入した場合には、その年の経費にすることができます(青色申告の場合)。
ところが、これは特例であって、原則は10万円以上のモノを買った場合には、決められた年数で少しずつ経費にしなければなりません。
仮に、18万円のパソコンを12月に購入した場合、
・(原則)4年で償却(経費にできるのは、3,750円)
・(特例1)1年で償却(経費にできるのは18万円)
・(特例2)3年で償却(経費にできるのは6万円)
と、3パターン選ぶことができます(金額により異なります)。
あまり、利益の出ていない年であればあまり経費計上せず、翌年以降利益が出ることを期待して、原則的な方法や3年で経費にする方法(特例2)も検討してみましょう。
開業費と違って、操作はできませんが、軌道に乗る翌年以降の経費にすることによって税負担が少なくなることも期待できます。
年払いしているもの
年契約しているものを経費にしている場合も、翌年の経費にすることができます。
例えば、1年契約でソフトを契約し、年払いしたとします。
仮に、7月〜翌年6月の分を、7月に1年分12万円を払ったとします。
原則的なことをいえば、払った年の経費でなく、払った分のうち、今年分のみしか経費にできません。この例で言えば6万円のみです。残り6万円は翌年の経費です。
ただし、短期前払費用という特例で、1年分まとめて経費にしていいことになっています。
経費が煩雑になることから、1年分まとめて経費にしているケースのほうが多いですが、原則的な方法でも問題ありません。
ただし、この場合にはあまりやりすぎると、経理が複雑になりすぎてしまいます。金額の大きいものくらいにとどめておきましょう。
<昨日の出来事>
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