相続税には、財産があれば課税されますが、
借入金などの負債がある場合には、財産から引くことができます。
債務
金融機関からの借入金
金融機関からの借入金は、財産から引くことができます。
ただし、住宅ローンで団体信用生命保険に加入していた場合には、
亡くなった時点で住宅ローンは消滅してしまうので、引くことはできません。
所得税・消費税
年の途中で亡くなった場合には、亡くなった方に申告義務があれば、相続人は4カ月以内に亡くなった方の確定申告(準確定申告)を行わなくてはいけません。
その際に納めることになる、所得税や消費税は、財産から引くことができます。
ただし、還付になった場合は、亡くなった方の財産になります。
その他の各種税金
住民税は、1/1時点で前年の所得に応じて課税され、5月頃に納付書が送られてきます。
納付書がいつ来たか、納期限がいつかにかかわらず、1/1を過ぎた時点で納税義務は発生します。
支払っていなければ、財産から引くことができます。
3月に亡くなった場合には、納付書が来ていないはずですが、後々送られてくる住民税の、
全額を財産から引くことができます(ただし払わなくてはなりませんが)。
同様に、固定資産税は1/1の所有者に対して、自動車税は4/1の所有者に対して課税されるため、
納税の義務があり、かつ支払っていなければ、財産から引くことができます。
その他支払っていないもの
亡くなった時点で、相続開始時点で支払っていないものについても財産から引くことができます。
細かいものも含めれば、結構あります。
・公共料金(電気代、水道代、ガス代、新聞代、電話代など)
・亡くなった後に支払った医療費や介護の費用
(亡くなる前に支払ったものは、医療費控除の対象です)
・クレジットカードなどの未払分
・個人事業主であれば、買掛金や未払金、預かり敷金など
ただし、相続税がかからない財産の未払金(墓地の購入した際の未払金など)は、財産から引くことはできません。墓地などを購入する予定があれば、生前から購入しておくのも一つの手です。
葬式費用
葬儀の費用は、本来は相続人が払うものであり、被相続人の負の財産ではないですが、
特別に、相続税の財産から引くことができます。
お通夜やお葬式の費用の他に
・お布施
・お手伝いさんへのお礼
・運転手さんへの心付け
・火葬代
などが当てはまります。
葬式費用では、領収書が出ないものも多くあるので、
いつ、だれに、いくら支払ったかを記録しておけば大丈夫です。
なお、
・香典返し費用(ただし、もらった香典にも税金はかかりません)
・初七日や法事の費用
は、引くことができません。
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