相続税でのマンションの評価方法が変わっています

相続税でのマンションの評価方法が今年(令和6年)から変わっています。

相続税での評価額が上がってしまう傾向にあります。

従来のマンションの評価方法

マンションの評価であっても従来は、通常の土地と建物と同じように評価していましたが、

マンションの場合には、

・立地がいいにもかかわらず、土地の評価が低くなる(1人当たりの持分が少ないため)
・高層階ほど高く売れるにもかかわらず、相続税評価に反映できていない

といった理由で、相続税評価額と本来の価値との数字が大きくかけ離れていました。

そのため令和6年以降は、

土地(敷地権)であれば、土地全体の評価額 × 持分 × 区分所有補正率

建物であれば、固定資産税評価額(厳密には×1.0) × 区分所有補正率

といった形で評価することになりました。

(×区分所有補正率が新しくなったところです)

評価乖離率とは

区分所有補正率を計算するには、評価乖離率を計算して算出します。

評価乖離率とは、時価とどの程度の差があるかを示す指標で、大きくなればなるほど時価とかけ離れていることになり、その分相続税評価額も上昇します。

評価乖離率は、

A + B + C + D + 3.220 で計算します。

※細かい端数調整の説明は省略しています。

A

築年数 × △0.033

△はマイナスです。建物が古いほど、評価乖離率が低くなり、相続税評価額が下がります。

B

(マンションの総階数 ÷ 33) × 0.239

※マンションが33階以上の場合には、0.239

マンションがどれくらい高層であるかを判断します。
マンションが高層であればあるほど、評価乖離率が高くなり、相続税評価額が上がります。

C

所在階 × 0.018

自分の持っている部屋が何階にあるかによって、数値が変わります。
自分の持っている部屋が高層階にあればあるほど、評価乖離率が高くなり、相続税評価額が上がります。

D

(マンションの敷地全体の面積 × 敷地権の割合) ÷ 専有部分の面積 × △1.195

区分所有補正率とは

マンションの土地や建物の評価にかける区分所有補正率は、上記のように計算した評価乖離率を利用して次のように計算します。

評価乖離率 区分所有補正率
1.6666…超(5分の3超) 評価乖離率 × 0.6
1 ~ 1.6666… 1(補正なし)
1未満 評価乖離率

※実際には、評価水準という数字を使いますが、1で割り返すだけなので省略しています

つまり、評価乖離率が大きくなればなるほど、マンションの相続税評価額が高くなります。

いろいろな状況をシュミレーションしてみましたが、比較的評価乖離率が1.6666…を超えており、

今までよりは相続税評価額がUPする傾向にあります。

<大事なこと>
この改正によって、マンションの評価が上がってしまう傾向が高くなります。
さらにマンションは土地が大きいことから、評価するのが難しいのにさらに難しくなってしまった気がします。


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