不動産売却時の申告、納税額が高額になりがちです。
そもそも高額な上にタイミングなどをまちがえると、さらに納税額が増えることもあります。
一生に何度もあるものではないので、売買契約の前から慎重に行動しましょう。

短期と長期
不動産売却の税金は、原則もうけ(売れた値段−過去に買った値段−売ったときにかかった経費)に対して20.315%もの税金がかかります。
ただし、これはある程度の期間所有していることが前提で、短い期間だと39.63%もの税率に変わります。
所有期間が5年超か、それ以下で判断が変わるのですが、この所有期間の計算方法が独特です。
「売却年の1/1」で判断します(売却日はありません)。
例えば、R.2.2.1に購入した不動産を、R7.11.1に売却した場合には、所有期間は5年9か月ですが、
「売却年の1/1(R7.1.1)」からカウントすると、4年11か月しか保有していないことになり、短期税率の39.63%となってしまいます。
この判断をまちがえると、税金だけでも2倍近く違うことになります。5年をはるかに超えている場合には気にする必要はありませんが、短期での売却である場合には意識しておきましょう。
申告のときになって修正できません。売買契約を結ぶときから注意しておきましょう。
なお、相続でもらったときは、ご自分だけの所有期間だけで判断するのではなく、故人様が所有していた期間も通算して判断します。ここも、間違えやすいのでお気をつけください。
特例
不動産を売却したときの税金は高額になりやすいこともあり、いくつかの特例が用意されていて、納税負担を大きく少なくすることができます。
例えば、マイホームを売却した場合には、売却益から3000万円控除する特例があり、最大で600万円ほど納税負担を少なくすることが可能であったりします。
ただし、特例を使うにはいくつかの条件があり、ひとつでもクリアできないと受けることができません。
マイホームの3000万円控除であれば、こういったことになると受けることができません(これ以外にもありますが一例として)。
・以前は住んでいたが、今は住んでいない(3年以上たつと黄色信号になります)
・建物を早めに壊してしまった(壊して1年以内に売買契約が条件)
・マイホームの土地の一部のみ売却
・売却先が身内
・住宅ローン控除との併用
・そもそも建物の持分がない(土地夫・妻1/2ずつ、建物夫1のような場合、妻はNG)
特例は税負担を大きく下げてくれる一方、思わぬところで落とし穴があったりします。きちんと売却前から確認しておくべきでしょう。
取得費
不動産売却の税金を大きく左右されるのは、取得費、つまり過去にいくらで買ったかがわかるかどうかにかかっています。
これがあるかないかで納税額は大きく違ってきます。
ところで、この取得費については、計算方法に注意が必要です。
土地に関しては、過去に買った値段のみで判断できます。一方で建物に関しては、減価償却と言って自分が使った分を過去に買った値段からマイナスして、今の価値を計算する必要があります。
そういったこともあり、過去に3,000万円で買ったマンションを、2,900万円で売れたから、マイナス100万円なので申告しなくていいいということはありません。
仮に減価償却に相当する金額が700万円だった場合、取得費は2300万円となり、売却益600万円なので、申告も納税も必要です。
特に、マンションの場合には、必ず土地・建物セットで売却ということになりますので、この点にはご注意ください。
<昨日の出来事>
午前はお客様の源泉所得税・住民税の納税手続き。
午後は柏市の小学校で租税教室、帰宅後ランニング12km。
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