役員報酬と年金、医療費負担の関係

自分の会社を経営している場合、年金をもらいながら働いている方も多いかと思われます。

ただし、役員報酬の金額によっては、年金の受給額や、健康保険の医療費負担にも影響を及ぼします。どのような影響があるか、まとめてみました。

年金カット

年金には、在職老齢年金の支給停止という仕組みがあります。

年金の月額 + 役員報酬の月額 が51万円を超えてしまうと、老齢厚生年金の一部or全額がカットされてしまいます。

カットされた部分については、あとでもらえなくなるわけでなく、単純に減額されるのみです。

社会保険の算定届に、健康保険も厚生年金の支払いがない75才以上の方も提出しなければいけないのは、これが理由です。

ご自身が年金をもらっている場合、カットの対象になっているかどうか一度確認してみましょう。

※令和8年度から、51万円→62万円になる予定です。

医療費負担

70~74才の場合には、医療費の負担が2割になります。

ただし、現役世代並みの収入(協会けんぽの場合 28万円以上)があると、医療費負担が3割になってしまいます。

また、75才以降で後期高齢者医療保険に移行すると、医療費負担割合が1割になります。

こちらも、収入によっては、2割or3割になってしまいます。

住民税の課税所得金額(所得ー所得控除額 税率をかける前の金額)が、

28万円以上~145万円未満の場合には2割に、145万円以上の場合には3割になります。

後期高齢者医療保険料の医療費負担割合

ご自分の医療費負担が何割か一度確認してみましょう。

※収入などの理由で、例外的に1割or2割になる場合もあります

役員報酬をどうするか

上記のことはあくまで役員報酬を決める要素のひとつですので、これだけを理由に減額することはおすすめできません。

会社の業績がいいようでしたら、引き続き役員報酬を取っていくことをお勧めします。やっぱり、役員報酬を減額するとモチベーションにも影響してしまうので。

一方で、
・役員報酬が50万円以下
・会社に役員借入金がたまっている
・会社が赤字+繰越欠損金が残っている
・ご家族の役員に報酬を移してもいい(働いていることが前提ですが)

ような場合であれば、上記のようなことを考慮して役員報酬を決定することをおすすめします。

・年金をきちんと受け取ることができる
・医療費の負担が少なくなる
・会社の繰越欠損金を解消できる(法人税の負担も少ない)
・お金が足りないようだったら、会社からお金を返してもらえばいい
(役員報酬減額した分会社にお金が残るはずなので)
・社長自身の納税額が減る

といったメリットもあります。

<昨日の出来事>
午前中は、お客様のデータ入力。
午後は、市役所での仕事。

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