賞与の計算方法

賞与を支給する場合であっても、通常の給与計算と同様に社会保険料や税金の徴収が必要になります。計算方法をまとめてみました。

※ 社会保険料は協会けんぽでR7.6現在のものをベースにしています。

社会保険料

賞与の支給額が決まったら、まず社会保険料を計算します。

健康保険料は、介護保険を天引きするかどうかによって変わり、以下のようになります。

介護保険料
天引きあり
賞与支給額(千円未満切捨) × 11.38% ÷ 2
介護保険料
天引きなし
賞与支給額(千円未満切捨) × 9.79% ÷ 2

厚生年金保険料も、同様に下記のように計算します。

賞与支給額(千円未満切捨) × 18.30% ÷ 2

いずれも、÷2となっているのは、従業員・会社共に半分ずつ負担することになっているからです。

ただし、賞与から天引きする保険料にはいずれも上限額があり、

・健康保険料573万円(4月から翌年3月の累計)
・厚生年金保険料150万円(1カ月当たり)

です。

また、役員でなければ雇用保険料も天引きする必要があります。令和7年度は0.55%(建設・農林水産・清酒製造といった業種は0.65%)です。

あとは忘れずに、社会保険事務所に「被保険者賞与支払届出書」の提出をしましょう(支給から5日以内です)。

税金

社会保険料の計算が終わったら、あとは天引きする税金を計算します。この際、住民税は賞与からの天引きはないので、計算するのは所得税のみです。

賞与で天引きする所得税を計算するには、前月の給与(社会保険料控除後)と扶養の人数により決まります。

① 前月の給与の、給与から社会保険料を引いた金額を計算します。

② ①の数字と、扶養の人数によって、賞与にかける税率を探します。

③ 賞与から社会保険料を引いた数字に、②の税率をかけた数字が賞与から天引きする所得税となります。

100万円の賞与の手取り

今までのことをベースに、役員賞与100万円(前月の給与40万円 社会保険料控除後33.9万円 扶養0人 介護保険料アリ)を計算すると以下の通りになります。

① 健康保険料 100万円 × 11.38% ÷ 2 = 56,900円
② 厚生年金保険料 100万円 × 18.30% ÷ 2 = 91,500円

③ 社会保険料控除後の金額 100万円 - ① - ② = 851,600円

これをもとに所得税の税率を源泉徴収税額表をもとに調べると以下の通りになり、10.210%となります。

④ 所得税 ③ × 10.21% = 86,948円

⑤ 支給額 100万円 - ① - ② - ④ = 764,652円

そして、健康保険料と厚生年金保険料は、会社負担分と合わせて納付(通常翌月末日)し、所得税は原則翌月10日までに納付します。

<昨日の出来事>
午前中はお客様との打ち合わせ。
午後はそのお客様に関する入力、その後ランニング7km(半分くらい歩きましたが)。

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