故人様が上場株式を持っていた場合の配当金の取扱い

故人様が上場株式を持っていた場合には、その日の株価(終値)かその月(または前月か前々月)の終値の平均額で評価をします。

それとは別に、亡くなった日によっては配当金の権利を手にしている場合があります。

この配当金のもらうことができる権利は、相続税の対象になります。

配当をもらう流れ

配当金は配当金交付基準日時点での株主に対して支払われるものです。

配当金交付基準日は事業年度終了の日ですが、中間配当がある場合には中間決算の末日です。

配当の回数は、年1回、半年に1回、3か月に1回と会社により異なります。

その後株主総会(中間配当は取締役会)で配当することが決まり、実際に配当金を受け取ることができます。

配当交付基準日から実際に配当を受け取ることができるのは、基準日から2~3か月後です。

ところで、配当交付基準日から実際に配当をもらうまでの間になくなってしまった場合には、実際には配当を受けていなくても、配当を受ける権利はもらっています。

この配当金を受ける権利は、相続税の対象になります。

配当を受ける権利の評価

この配当を受ける権利は、

1株当たりの配当金額 × 株数 × (1 - 20.315%)

と評価します。

つまり、実際にもらう配当金の税金を引かれた後の手取り額です。

実際にもらった金額がわかるようでしたら、あえて金額を計算する必要はなく、実際にもらった金額を計上しておけば問題ありません。

金額がわからなければ、各企業が発表している決算短信に1株あたりの配当金額が記載されています。

大変なのは、この配当の権利が相続税の申告に必要かどうかです。

全銘柄調べなければいけないので、ちょっと手間がかかります。

配当交付基準日(決算期末、中間期末、四半期末)~実際に配当をもらった日に亡くなった場合には、計上する必要があります。

この権利の名称ですが、
配当交付基準日~株主総会までの時は、「配当期待権」(まだ配当の金額が決まるまでに亡くなった時)と呼び、株主総会~実際に配当が支払われるまでは、「未収配当金」という名称で呼びますが、金額自体変わらないので、さほど気にする必要はありません。

銀行の預金の利息

話はずいぶんそれてしまいますが、銀行の預金についても、亡くなった日現在の預金残高で評価するのではなく、

実際には、亡くなった日現在の預金残高に加えて、最後に利息をもらった日~亡くなった日現在で解約した場合の利息も加えて評価をしなければなりません。

ただし、銀行預金の場合には低金利であるがゆえに、利息を加えても数円しか変わらず税金にもほぼ影響しないので、あえて計算していないケースも多いのではないでしょうか。

私もさほど厳密には計算はしていませんが、ゼロ金利が解除され銀行からもらえる利息が増えたので、もしかしたら厳密に評価しないと税額に影響が出ることが今後あるかもしれませんね。

確かに、以前よりはもらえる利息は増えた気がしますが…

<大事なこと>
故人様が株を持っていると、配当金の権利も評価しなければいけない場合があります。
きちんと確認しておきましょう。それ以外にも、株式分割などがあったりすると計算はかなり複雑になる場合があります。

<昨日の出来事>
昨日は都合により、朝からジョギングへ。かなり暑かったですね。
午後は、仕事とちょっとしたお買い物へ。


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