役員報酬の金額を決めるうえで、会社と個人にどうお金を残すかのバランスは大事です。
バランスが悪いと、会社のお金が足りなくなったり、無駄な税金を払ってしまったりと、デメリットが生じている場合があります。
お金のバランスが大事です
お金を貸していませんか
会社の資金繰りをサポートすることの一つに、社長が会社にお金を貸すことがあります。
会社を継続するうえで、やむを得ないことであることであるかもしれません。
一時的な貸付であるのであれば、問題はないのですが、継続的にお金を貸し続けていて、役員借入金が積みあがっているときに考えてほしいことがあります。
役員報酬を取りすぎていないだろうかということです。
社長の役員報酬が100万円であれば、手取り額は70万円ほどです。
30万円は社長の社会保険料や税金として、外部に流れてしまいます。
会社から100万円現金がなくなって、社長には70万円しか残りません。
万が一全額会社に貸すことになったとしても、70万円しか貸すことができません。
極端な例ではありますが、もし社長の役員報酬が0円であれば、会社に100万円現金が残ります。
社長個人の、税金や社会保険料も支払わなくてすみます。
頻繁に社長が会社にお金を貸しているようだったら、役員報酬の減額したほうが、社長の社会保険料や税金分だけ、資金的には効率的だったりします。
お金が残っていませんか
会社の赤字が続いている、資金繰りもあまりよくないにもかかわらず、役員報酬はずっとそのままにしているケースも、よくあるパターンです。
さらに、役員報酬の使い道を聞くと、ずっと使っていないで、ただ貯まっているだけということをお聞きしたこともあります。
もし、役員報酬を生活費として使っていない、または使うけども余っているのであれば、役員報酬の減額するメリットの方が大きくなることがあります。
赤字解消や、ご自分の税金や社会保険料を削減できることもありますが、
社長が高齢で財産もお持ちの方であれば、使っていない役員報酬も、積もり積もって、いずれ相続税の対象になってしまうこともあります。
赤字でなかった場合でも、家族従業員がいれば、分散して支払うことも一つの手です。
もちろん、会社の仕事をしていることが前提となりますが。
年金減額されていませんか
最速で60才になると、年金をもらうことも可能です(ただし60才からの受給は年金が減らされてしまいますが)。
その際に、年金の基本月額+役員の給与の金額が
60~64才であれば28万円、65才以上であれば47万円を超えていれば、
厚生年金の受給額が減額されてしまいます。
過去に多額の厚生年金保険料を払ってきて、もらえる年齢になったにもかかわらず、年収が多いからといって、満額もらえないのは非常にもったいないかと。
自分の役員報酬を減額して、年金を有効に受け取り、手取り額の減少を少なくする。
会社の資金繰りもよくなるため、社長が年金受給者であれば、ご検討してみてはいかがでしょうか。
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