事業を始めたときには、スタートを間違えると大きく損してしまうことがあります。
確かにお金がない時期でもありますし、余計なことにお金をかけたくない気持ちはあると思いますが、最初の時ほど重要です。
できれば65万円控除は取りたい
事業を始めたときには、自分で利益を計算して税金を計算しなければなりません。
個人事業の場合には、青色申告をしてさらに要件を満たすと最大で65万円の控除を受けることができます。
ある程度の利益が出れば、65万円控除を受けなかった場合に比べても10万円程度の税金が安くなりますし、健康保険が国民健康保険料であれば、そちらの保険料にも影響しますので、総額での負担は青色の65万円控除以外で申告する場合に比べて大きく少なくなります。
白色申告、青色10万円控除、65万円控除で税金がどれくらい違うのか?
65万円控除の2つのハードル
ところで、65万円控除を受けるにはいくつかの段階を踏まなければいけません。
まず、開業届と共に、「青色申告承認申請書」を提出しなければいけません。これには、期限があり開業してから2カ月以内に提出しておかなければなりません。
これを逃してしまうと、すぐさま青色申告というわけにはいかなくなります。
わからないまま、何年も過ごしてしまうと数十万円単位で余計な税金を払い続けることになってしまいます。
ただし、届出に関してはネットや本で調べれば提出方法まで書いてありますし、税務署に相談に行けば青色の届出までくらいなら教えてくれます(絶対ではありませんが)。
もう一つは、複式簿記を使って貸借対照表と損益計算書を作る必要があることです。
そのために、会計ソフトを導入する必要があります。
厳密に言えば簿記の知識があれば会計ソフトなし手書きでの作成でも可能ですが、ものすごく時間がかかりますし、そんな時間があれば本業に力を入れた方がよっぽどいいです(経理をするために独立したわけではないはずなので)。
そして、その会計ソフトの使い方に関しては、税務署は教えてくれません。
そのため、自分で調べるか、誰かに教わるかということになりますが、きちんと教わることをお勧めします。
きちんと教わった方がいい理由
会計ソフトの使い方を教わらなくても、なんとなく入力していれば、決算書も申告書もできてしまいます。
ただし、これが正しくできているか、間違っているのは別問題です。
間違った入力をしていても、「間違っていますよ」と教えてくれるわけではなく、間違った決算書と申告書が出来上がるだけです。そして、それを提出してしまえば、税務署も受け取ってくれます。決して間違っていると教えてくれることはありません。
多く申告してしまえばムダに税金を納めることになりますし、少なく申告してしまえば数年後に税務調査で指摘を受けてしまい、本来納めなくていい余計な罰金を納めなくてはならなくなってしまいます(税務署も気づかないケースもありますが…)。
そのため、スタート時ほど税理士に相談してもらえればと思っています。
それは最初が間違っていると、ずっと間違ったままになってしまうからです。
会計ソフトも一から自分で調べるより、わかっている方に教わったほうが正しく、しかも早く覚えることができます。その方が、時間も圧倒的に短縮できます。
もちろんお金はかかるかもしれませんが、65万円控除で税金が少なくなることを考えれば、こちらでペイすることも可能でしょう。
ちなみに、自治体での無料相談で…、というのはキビシイかと思います。大まかな流れを教えてそれで終わりくらいになってしまいます。それに、無料相談の場合、予約が取れる保証もありませんし、取れたころに、届出の期限が過ぎていた…、なんてこともありますので。
とにかく、いち早く行動するのが一番です。
<大事なこと>
開業時以外にも、売上が1,000万円を超えて消費税を納める必要になった場合にも、早めに相談しておくべきタイミングです。届出に期限があるものも多いので、とにかく早めというのが大事です。
<昨日の出来事>
午前中にブログ、その後長めのランニング19kmほど(うち2kmは歩き)。
午後は力尽きて休息、その後に書店へ。
仕事は…、こんな日もあります。
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