債務控除の金額が多い場合には要注意。課税価格がボーダーライン以下でも相続税がかかる場合

相続税の計算は、故人様の財産の金額をベースに、この金額が基礎控除額(ボーダーライン)の金額以下であれば、相続税の申告は不要ということになっています。

ただし、厳密に言うと若干計算方法が異なり、ボーダーライン以下であっても遺産分割の仕方によっては、相続税がかかるケースがあります。

正しい計算方法

このブログでも何度か計算方法を書いてきました。

故人様の財産から債務(借入金など)を差し引いた金額をベースに計算します。

実際には、ほとんどの方がこの計算方法で問題ないです。

ところが実際に相続税の計算方法としては、

①相続人ごとに、故人様からもらった財産を集計する

②相続人全員の財産の合計を計算する

③それをもとに相続税のトータルの金額を計算する

④各相続人に相続税を割り当てる

という流れになっています。

この①の流れと、債務控除の取扱方法によって、ボーダーライン以下であっても相続税がかかるケースが存在してしまいます。

債務控除の取り扱い

ところで、債務控除は相続財産から引くことができますが、実際には限度があり、相続財産(生前贈与加算前)までとなっています。

つまり、財産が3000万円、債務が5000万円を引き継いだ場合には、債務控除ができるのは、3000万円となります。

もらった財産より引くこと(課税価格マイナス2000万円)みたいなことや、他の相続人の方との財産との相殺はできないことになっています。

また、債務控除は生前贈与加算前までの金額が対象なので、仮に債務控除できる金額が残っていても生前贈与加算との相殺はできません。

これに加えて、上記の計算方法で、一番はじめに相続人ごとに財産を集計するという点で、問題になってくることがあります。

実際の事例

言葉だけで説明すると、よくわからないかと思いますので、実例を上げてみます。

故人様の財産が、不動産3000万円、その借入金が5000万円、それ以外に現金を5000万円持っていたとします。

相続人は子A、子Bのふたりと仮定します。この場合には、ボーダーラインは4200万円です。

普通に計算すると、故人様の財産が、

3000万円(不動産)+5000万円(現金)−5000万円(借入金) =3000万円

ということになり、ボーダーライン以下なのでこの時点では相続税がかからないことになります。

ところで、この遺産分割で子Aは不動産とその借入金を引き継ぎ、子Bは現金を引き継いだとします。

これを正しい計算方法に当てはめてみると、

① 子A 3000万円(不動産)−5000万円(借入金)< 0 0円(債務控除も3000万円)
子B 5000万円(現金)
② 0円(子A)+5000万円(子B)=5000万円 > 4200万円(ボーダーライン)

と、ボーダーラインを超えてしまうことになり、相続税がかかることになってしまいます(このケースだと80万円)。

このような債務控除の性格から、このようなことがおきてしまいます。

特に大きな借入金がある場合には、遺産分割の内容によって、相続税の申告の有無自体が変わってしまうことがありますので、気をつけましょう。

<昨日の出来事>
午前に税務署へ納付書の受け取り、iPhone12miniの売却(4000円でした)、散髪。
帰宅後は読書などでのんびり過ごしました。


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