故人様が株を持っていてこの売却を考えている場合であっても、すぐさま売却できません。
いくつかのステップを踏む必要があります。
誰が引き継ぐかを決める
故人様が株を持っていた場合、そのまま故人様名義のままでは株を売却することができません。
そのため、まずはどなたかが引き継ぐことになります。
ところで、株の値段は日々変動します。相続のときの値段と、売却時の値段が全く一致しないこともありえます。
相続時点での時価や相続税評価額をもとに遺産分割してしまうと、全く平等に分かれていないといったこともありえます。
株の換金を考えていて、かつなるべく平等に分けたいのであれば、先に株だけを遺産分割してしまい、相続手続きをすませたうえで、換金してしまえば平等に分けやすいです。
なお、株の相続税評価額と相続時の時価も違うケースもあります。
口座開設が必要
ところで、故人様の株を引き継ぐ際には、証券会社の口座が必要になります。
基本的には、故人様の取引していた証券会社と同様の証券会社の口座開設が必要です。
引き継ぐ方が別の証券会社の口座を持っていても、そちらへの移管はできません。
また、故人様が複数の証券会社との取引をしていた場合には、それぞれの証券会社の口座を作る必要があります。
つまり、売却してその後口座自体必要ない場合には、
口座開設 → 移管 → 売却 → 口座解約
と4ステップ踏む必要があります。
銀行預金の場合には、ご自分の指定した預金口座に振り込むことができるので(振込料はかかります。ゆうちょ銀行はNG)、それと比較すると、かなりの手間がかかります。
なお、故人様と同一の証券会社の口座を持っている場合には、新たに解説する必要はありません。その口座を利用することが可能です。
確定申告が必要な場合も
相続でもらった株を売却した場合には、確定申告が必要になる場合があります。
なるべくその手間がなくてすむように、受入口座は特定口座(源泉徴収あり)にしておきましょう。この口座内で売却した場合には、証券会社が税金を計算してくれて、かつ天引きしてくれるので、確定申告の手間は省くことができます。
ところで、相続税の申告をして、かつ納税もした場合には、「取得費加算の特例」というものが使える場合があります。
この制度を利用することによって、特定口座から天引きされた税金の一部が還付される場合があります。ただし、この制度を使うには確定申告が必要です。
また、確定申告をすることによって、国民健康保険料や後期高齢者保険料が上がってしまうデメリットもあったりしますので、慎重な判断が必要です。
<昨日の出来事>
午前はMacの研究、PDFの編集機能をようやくマスター。
午後は庭の手入れ、ランニング7km。
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