個人事業主で所得が赤字になってしまった場合

所得税を計算する際には、ご自分の収入を10種類に分類した後、それぞれの所得(利益)を計算します。

万が一赤字になった場合には、他の黒字の所得と相殺することができる場合があります。
また、その後赤字を3年間繰り越すこともできます。

損益通算とは

所得税を計算する際にまず必要になるのが、所得の区分を分けることです。

・利子所得  ・配当所得  ・不動産所得  ・事業所得  ・給与所得
・退職所得  ・山林所得  ・譲渡所得   ・一時所得  ・雑所得

と、10種類に分けてそれぞれの所得を計算します。

ところで、ある所得が赤字になってしまえば、他の所得と相殺できる場合があります。

例えば、給与所得50、事業所得▲30であれば、
事業所得の赤字を給与所得と相殺できます(この場合、給与所得20(50-30))。

一見便利なようですが、すべての赤字に対して損益通算できるわけではありません。

損益通算できる赤字

損益通算できる所得(他の黒字の所得と相殺できる所得)は、

・事業所得
・不動産所得
・山林所得
・譲渡所得(総合譲渡のみ)

です。

それ以外の所得が赤字であっても、損益通算はできません。

そもそも、利子所得・配当所得・給与所得・退職所得は、収入のみで経費がないので赤字なるという概念自体がありません。

雑所得と一時所得に関しては、単純に損益通算は認められていません。

損益通算後それでも赤字が残ってしまった場合には、
青色申告であれば、3年間繰り越しができますが、
白色申告であれば、切り捨てとなってしまいます。

株・不動産の売却の場合

株の売却の場合

株を売却して損が出てしまった場合には、他の所得との損益通算はできませんが、
確定申告すれば赤字を3年間は繰り越すことができます。

ただし、株の取引がなかった年であっても、赤字をさらに繰り越すのであれば毎年確定申告が必要です。忘れると消滅してしまいますので、ご注意ください。

不動産の売却の場合

不動産の売却で赤字になった場合であっても、他の所得との相殺はできません。

ただし、同じ年に2件以上の不動産の売却があり、一方が黒字、もう一方が赤字であれば、その分に限っては損益通算ができます。

例外として、自宅を売った際に損が出てしまった場合に限り、他の所得と通算できる場合があります。

自宅を売って損が出た場合にできること

<大事なこと>
所得税の場合には、どんな赤字でも黒字と相殺したり、翌年以降に繰り越したりできるわけではありません。


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