年が明けたら確定申告をしましょうという世の流れがありますが、その前に1月31日までに終わらせなければいけないものもあります。
その中で、特に忘れがちな償却資産税の申告をまとめてみました。
償却資産税とは
償却資産税とは、固定資産税の一種です。
固定資産税といえば土地と建物です。これは一般の方も、事業を行っている方もかかります。
償却資産税は、土地や建物以外の固定資産について課税される、事業者のみの税金です。
土地や建物と同様に1月1日時点で保有している固定資産税に課税されます。
土地や建物の場合には特別な申告は不要ですが、償却資産税の場合には申告が必要です。
これを1月31日までに行う必要があります。
申告の方法は、昨年から増えたもの(買ったもの)・減ったもの(売った、処分した)を記載すれば、あとは自動的に市区町村で計算してくれます。
(全資産を申告して、自分で計算した申告書を提出するものもあり)
税額は、償却資産として申告されたものの簿価(所得税や法人税と計算方法が若干異なります)の1.4%(市区町村により異なる場合あり)です。
簿価が150万円未満であれば、償却資産税は課税されません。
償却資産税の対象になるもの
償却資産税の対象になる資産は、基本的には所得税や法人税で固定資産に計上するものと同様です。
ただし、車は自動車税が課税されているため、償却資産の対象外となります。
もちろん、土地と建物は通常の固定資産税が課税されているので、申告は不要です。
ざっくりいうと、償却資産の対象となるのは、土地や建物、車以外の固定資産です。
また経理処理によって、申告の対象になったりならなかったりするものがあります。
10~30万円の固定資産を1年で経費にした場合(少額減価償却資産の特例)であっても、償却資産の対象になります。
ただし、10~20万円の固定資産を3年で経費にする場合(一括償却資産)として経理処理する場合には、償却資産税の対象外になります。
固定資産の台帳とのズレが生じますので、ご注意ください。
償却資産税の注意点
申告自体は必ず必要
償却資産税は事業者であれば、必ず提出が必要です。
固定資産自体がない場合には、備考欄に「該当資産なし」と記載して、
固定資産の増減がないには、備考欄に「資産の増減なし」と記載して提出しましょう。
また、税金がかかる、かからないにかかわらず、申告は必要です。
個人で全額経費にしていない場合
個人事業者であれば、仕事とプライベートと共用しているため全額を経費にしていない場合もあるでしょう。
ただし、償却資産税にはプライベートと共用であっても、すべて仕事で使っていると扱われます。
例えば、20万円のパソコンを仕事50%プライベート50%で使っていても、償却資産税として申告する金額は20万円です(20万円×50%とはなりません)。
たとえ10%経費にしていても、全額が償却資産税の対象になってしまいます。
共有で持っている場合
固定資産を共有で持っている場合には、それぞれが申告する必要はありません。
代表者1名で金額は全額で償却資産税の申告をします。
例えば、2分の1ずつ持っている場合には、どちらかひとりが全額で申告をします。
(お互いが金額を2分の1ずつで申告するのではありません。)
金額は税込、税抜?
償却資産税で申告する金額は、自分の経理方法により異なります。
税抜経理であれば、消費税抜きの金額を、
税込経理であれば、消費税込みの金額を申告します。
この点を踏まえると、償却資産税では税抜経理の方が有利になります。
<この記事の考え>
償却資産税の対象となるものは、ほとんど所得税や法人税と同じですが、一部で異なるものもあります。また、忙しい時期ではありますので、忘れずに申告をしましょう。
■広瀬純一のプロフィール
■単発相談 対面・オンライン相談 メール相談
■個人のお客様 税務顧問 個人の確定申告
■法人のお客様 税務顧問 年1決算プラン(法人様向け)
■相続税の申告・ご相談 相続税の申告 相続税の試算
■税務調査・無申告対応 税務調査対応 無申告対応