手間はかかるが、社長にも賞与が支給できます

社長の給与は毎月同額の給与を払うのが一般的ですが、届け出をすることによって賞与を払うことができます。

ただし、ルールが比較的厳しめであるため慎重に取り扱う必要があります。

基本は毎月同額

社長の給与を自由に払うことができれば、会社の利益操作ができてしまうことから、基本的には毎月同額でないと経費にすることができません。

改定するのは基本的に年1回株主総会や取締役会の時にしかできません。

役員の給与のルール

賞与については支給するのは自由ですが、経費にすることはできません。

ただし、届け出を出して、予定通りに支給すれば経費にすることができます。

事前確定届出給与とは

社長の賞与を経費にするのであれば、誰に、いつ、いくら支払うかをあらかじめ税務署に届け出て、必ずその通りに支給する必要があります。

この届け出たとおりに支給する給与(いわゆる賞与)の事を、事前確定届出給与と言います。

届出通りに支給すれば経費にすることができます。
(利益操作させないというスタンスは同じです)

例えば、○○社長に7/10に100万円、12/10に100万円を支給すると決めて届け出た場合には、

きちんとその通りに支給すれば経費にすることができます。

ところが、7/10に100万円を支給したが、12/10には50万円しか支給しなかった場合には、12/10の50万円だけでなく、7/10に支給した100万円も経費にすることができません。

経費にできなかったとしても、もらった社長の給与収入になり税金の対象になります。

金額だけでなく、日付についても届け出通りに支払う必要があります。

ポイントは、届け出た金額や支払った日が少しでも違うと、その気に支払った賞与全額が経費にならなくなってしまうことです。経費にならなかったとしても、もらった側は税金の対象になってしまいます。

事前確定届出給与の流れ

株主総会での決議をする

役員報酬を決めている機関(株主総会や取締役会)で、通常の役員の月額給与と共に、賞与を支払う決議(誰に、いつ、いくら)をしましょう。

支払日についてもきちんと確認しましょう(土休日でないかはチェックしたほうがいいです)。

それとともに、議事録の作成を行いましょう。

事前確定届出給与に関する届出を提出する

税務署に、事前確定届出給与に関する届出(付表も含む)を提出します。

提出期限は株主総会などで決議をしてから1月以内です。

必ず忘れずに提出しましょう。忘れたら支払っても経費にはできません。

賞与を支給する

賞与の決められた日が来たら、届け出たとおりの金額を支払います。

これでOKです。

年度内に2回以上支給する場合には、次の支給日も間違えないようにしましょう(間違えるとすべて台無しです)。

また、社会保険の手続きもお忘れなく。

<大事なこと>
社長への賞与の支給はできるものの、ちょっと面倒だったりします。
面倒であるならば、欲しい年収を決めて毎月同額支給の方が楽だったりします。
支給する場合には慎重にしましょう。


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