「私でも相続税の申告できますか?」の質問に「できます」と答えにくい理由

相続税に関する相談を受ける際に言われることのひとつに、「私にもできますか?」という質問です。

私から言えることは「大変ですけど」くらいで、やはり「できます」とは簡単に言えないのが、相続税の申告だったりします。

こういった事情があるからです。

一発勝負

相続税の申告というのは、所得税の確定申告とちがい、一生に何度もあるものではありません。

申告対象者が8〜10人にひとりということもあり、一生に1度あるかないか、多くても2回(父の分、母の分)というのが相続税の申告です。

経験者も少ないので、教えてくれる身近な人も少ないということもあります。

所得税の確定申告は、一度やり方を覚えてしまえば、あとはそれを繰り返すだけなので、覚えてほしいと思うところです。

一方で、相続税に関しては、一生懸命覚えたところで、次にも使えるということはほぼありません。

それであるのに、申告書の書き方、計算方法、相続税のルールをすべて熟知するのはなかなか難しいというのが、現状だったりします。

金額が大きい

ところで所得税の申告をご自分でやっている方の申告書を拝見することがあるのですが、100%あっているというのが意外と少ないです。

何かしら間違いがあるのが現状だったりします。

それであるにも関わらず、税務署からクレームが来ないのは、たまたまであるのと、金額が小さいのでただ見過ごされているだけなのです。

ところが、これが難しくなるのが相続税です。

相続税に関していえば、取り扱っている金額が大きく、それに対する税額も大きいからです。

例えば、相続開始前に葬儀費用として大きなお金をおろしておき、準備していたとします。

本来は、事前に準備したお金+預金の残高を申告するところが、普通の方だと預金の残高しか申告しないケースがほとんどです。

仮に、300万円おろしていてこれを現金として申告していなかった場合、仮に税率が一番低い10%だとしても、それに対する税額は30万円です。

ちょっとのミスと思われるかもしれませんが、税務署からしたら300万円も申告漏れしていると、一大事です。

残念ながら、知らなかったという理由は通じず、過少申告加算税と延滞税もかかります。

知らないことが、ご自分の大きな損失につながりやすいのが相続税です

ちなみに、多く申告してしまうことも考えられますが、この場合の指摘はほぼないです。もちろん多く税金を払った分だけ損してしまいます。

税務署は教えてくれない

そして、決定的に勘違いされる方が多いのは、わからなかったら税務署が教えてくれるということです。

確定申告だと、多くの方が対応してくれて、それなりに教えてくれますが、相続税にはそのようなことはありません。

・予約制(予約自体も取りづらい、◯か月待ちは普通)
・時間も限られている
・手取り足取り教えてくれるわけでない
・どうすれば税負担が少なくなるか教えてくれない
・図面を持っていっても評価してくれるわけでない
・書類が揃っていることが前提
・意外と「税理士に相談してください」と言われてしまう

国の機関なのにと思われてしまうかもしれませんが、これが現実です。そもそも、税務署は税金を徴収することがメインなので、仕方がないのかもしれません。

3つを上げてみましたが、これでも大丈夫そうであれば、チャレンジもアリです。ただし、大変なことだけは覚悟しておいてください。

<昨日の出来事>
午前はオンラインセミナーの受講。
午後は車のオイル交換。

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