売上が1,000万円を超えたことで、消費税の納税義務が発生したり、2割特例(今後は3割特例?)が使えない場合に、次に候補になるのが簡易課税という計算方法です。
とはいえ、トラブルが多いのも簡易課税だったりします。
どのようなことを考えておくべきか、まとめてみました。

事前見積、事前届出
簡易課税制度を使う場合には、あらかじめの届け出が必要になります。
その方法で計算したい年(事業年度)が始まる前に届出の提出が必要です。
個人事業主であれば、令和8年を簡易課税で計算したいのであれば、令和7年度中に届出書を提出しておく必要があります。
また、その届出を出してしまった場合には、簡易課税制度での計算しかできません。申告直前の有利不利で計算方法を選ぶことはできません。さらに、最低2年は継続しなくてはいけません。
ということは、事前に業績予測をしたうえで、原則課税と簡易課税の2通りの計算をしてみて、どちらが有利になりそうか、あらかじめ決めておく必要があります。
事前見積が必要ではありますが、計算方法は簡易課税のほうが圧倒的に簡単です。
また、納税負担も簡易課税を選択したほうが、比較的有利になる傾向が高いです。
おおまかな見積もりを速やかに計算できるために、経理をためないということも大事だったりします。
いつでも使えるわけではない
簡易課税の届出を出したからといって、いつでもその方法で計算できるわけではありません。
2年前の売上高が5,000万円を超えていると、簡易課税での計算はできず、原則課税のみとなります。
簡易課税が使えないにも関わらず簡易課税で計算していたり、簡易課税で計算しなくてはいけないのに原則課税で計算していた場合には、有利不利にかかわらず、必ず税務署から是正の連絡が来ます。
売上が5,000万円前後を行ったり来たりしている方は、特に気をつけましょう。
出しっぱなしに要注意
事業が軌道に乗り、簡易課税で計算する機会がなくなるということもあるでしょう。
ところで、そのようなときでも簡易課税制度の届出は残っています。簡易課税制度不適用届出書を出すまでは、簡易課税で計算していない場合であっても自然消滅することはありません。
もし、売上が伸びて簡易課税制度を使う見込みがないのであれば、不適用届出書を出しておくべきでしょう。
万が一、業績悪化してしまい、原則課税で還付になるかと思ったら、何十年前に提出した簡易課税制度が残っていて、納税になってしまうようなケースもあります。
普段は問題ない場合であっても、思わぬ形でイタズラが入るのも簡易課税制度の危険なところです。
使わないのであれば、出しっぱなしにせず、不適用届出書は必ず出しておきましょう。
<昨日の出来事>
午前はお客様の年末調整作業、これで無事終わりました(去年は年越ししてしまったので)。
午後はお客様との打ち合わせ、車の修理。
■広瀬純一のプロフィール
■単発相談 対面・オンライン相談 メール相談
■個人のお客様 税務顧問 個人の確定申告
■法人のお客様 税務顧問 年1決算プラン(法人様向け)
■相続税の申告・ご相談 相続税の申告 相続税の試算
■税務調査・無申告対応 税務調査対応 無申告対応

