ひとつのお金の動き=1仕訳ではありません

通帳やクレジットカードの入力をする際に、1つのお金の動きに対して、複数の取引がある場合がかなりといっていいほどあります。

1つのお金の動きに、無理やりひとつの勘定科目を当てはめてしまうと、いくら残高が正しかったとしても、全く違うものになってしまいます。

会計ソフトの入力の基本

会計ソフトの入力は、現金出納帳(あまり使っていないかもしれませんが、基本的には)や預金通帳の入力から始めます。

通帳通りに入力していき、最後に残高が合えばひとまずOKということになります。

まあ、今ではクラウド会計があるので、相手型の勘定科目のみ入力orチェックすればよく、残高合わせもする必要がないので、だいぶ楽にはなりましたが。

ところで、なんとなく勘定科目を当てはめて入力して、残高が合えばそれでOKというわけではありません。

ひとつのお金の動きに対して、2つ以上の取引がある場合があるからです。

けっして残高が合えばいいわけではないのです。

1つのお金の動きで2つ以上の取引とは

簡単な例であれば、50,000円の現金を引き出し、手数料として110円引かれた場合です。

銀行によってどのように印字されるかによって違うのですが、引き出したお金50,000円と手数料110円と別々に2段に印字されていることもあれば、50,110円と1段にまとまっていることもあります。

この取引は、どのように印字されていようと、やっていることは一緒です。

現金 50,000 / 普通預金 50,000
支払手数料 110 / 普通預金 110

という仕訳になるのが正解ですが、

50,110円となっていると、

現金 50,110 / 普通預金 50,110

としてしまう方がいます。

もちろん誤りで、このようにしてしまうと、最終的には現金残高が合わなくなってしまいます。

現金出納帳をつけていなければ、最終的にはこの手数料の経費は消えてしまいます。

このように、1つのお金の動き=1仕訳でないので、どのような動きをしているか考える必要があります。

よくある具体例

借入金を返した時

銀行からお金を借りていて、毎月の返済をする際には、
・元本の一部を返す
・銀行に利息を払う
という、2つの取引があります。

例えば、銀行に53,000円(元本の返済50,000円、利息3,000円)を返済するときには、ほとんどの銀行が53,000円の出金が1行で記載されています。

この場合には、
借入金 50,000 / 普通預金 50,000
支払利息 3,000 / 普通預金 3,000

とするのが正しいです。

給料を払う時

給料を払うときの仕訳は、思いのほか複雑です。

例えば17万円(給与総額20万円 社会保険天引き2万円 税金の天引き1万円)と仮定すると、

給与 17万円 / 普通預金 17万円

とするのは、大きな間違えです。

給与の場合には、
1.従業員に総額を支払う(20万円)
2.従業員から社会保険料を徴収する(2万円)
3.従業員から税金を徴収する(1万円)
という3つの流れに分けます(上記の場合)。

これをもとに仕訳をすると、

給与 200,000 / 普通預金 200,000
普通預金 20,000 / 預り金(社会保険) 20,000 (簡便的に、法定福利費でも可)
普通預金 10,000 / 預り金(税金) 10,000

という仕訳になります。

そのため、給与の仕訳は預金通帳だけでなく、給与の一覧表を確認しないと正しい入力ができません。

これに、通勤手当があったり、給与を一部前払いしていたりしているとさらに複雑になります。

給与の仕訳、実はとても難しかったりします。

<昨日の出来事>
ほぼ1日中の、お客様から依頼された資料の収集とその整理。
その後、ランニング12km、涼しくなってきたのでだいぶ距離が走れるようになってきました。

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