生命保険は残された家族の生活保障のために使うことができるとともに、相続税でも税負担が少なくする措置が取られています。
とはいえ、すべてが相続税の対象というわけでもなく、また、相続税の対象だからといって、非課税の対象になるとは限りません。
相続税の非課税の対象にならないケース
生命保険会社から入金があったとしても、相続税の非課税の対象にならないものがあります。
生命保険の相続税の非課税は故人様がお亡くなりになったことが原因で給付される保険金が対象です。原因がお亡くなりになったこと以外では、相続税の非課税は使えません。
例えば、入院給付金や手術給付金といったものです。
これは、本来保険の対象者が入院した場合に生命保険会社から給付されるものです。故人様が生きていれば本人に直接支給されたものなのですが、お亡くなりになってしまったので、やむなく他の方に給付されるものだからです。
そのため、相続税の課税の対象であるものの、相続税の非課税にはなりません。
また、このようなモノは遺産分割の対象にもなります。
相続税以外の税金が課税されるケース
故人様がお亡くなりになったことが原因で保険金が支払われたとしても、すべてが相続税の対象になるわけではありません。
所得税や贈与税の対象になる場合があります。
生命保険の税金を考える際に、次の3つの要素を考える必要があります。
・被保険者(保険の対象者)
・保険料を払った方(契約者とイコールではない場合は更に注意が必要です)
・保険金の受取人
上記の相続税の非課税が使えるのは、
保険の対象者=故人様 保険料を払った方=故人様 受取人=故人様以外の相続人(相続人以外は非課税の対象外)
です。
つまり、故人様が保険料を払っていない場合には、そもそも相続税の対象ではありません。
保険料を払った方=保険金の受取人であれば、所得税(一時所得)が、
保険料を払った方≠保険金の受取人であれば、贈与税が課税されます。
だれが払ったかによってかかる税金自体が変わりますので、気をつけましょう。
入金がなくても課税の対象になるケース
生命保険のルールは、さらにきびしく、保険金自体の入金がないにも関わらず、相続税の課税の対象になる場合があります。
これは、保険の対象者≠故人様、保険料を払った方=故人様の場合です。
このケース、保険の対象者が故人様ではないので、保険の給付はありません。
この場合には、故人様が保険料を払っていたため、この権利をもらい解約することで、お金を間接的に受け取ることが可能です。そのため、この保険自体に財産性があると考えられ、「生命保険に関する権利」として、相続税の課税の対象になります。
そして、故人様の死亡が原因で直接お金がもらえるわけではないので、非課税のルール対象外です。
生命保険に関しては、税金のかかり方が非常にややこしいので、取扱には十分に気をつけましょう。
<昨日の出来事>
午前はお客様の納税手続き、申告手続き。新しいパソコンで税理士の署名ができずパニックもまあなんとか。午後はランニング12km
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