相続税の申告の際に、「相続税の申告をすると確定申告をしなければいけないのか?」とたまに聞かれることがありますが、通常は必要ありません。
確定申告は必要なし
結論から言ってしまえば、確定申告は必要ありません。
財産をもらっているので収入っぽく感じますが、あくまで故人様から財産が移動しただけなので、収入ではありません。
そして、その財産の名義が変わったときにかかるのが相続税です。
相続税の申告をすることで、その財産をもらったことに対する課税は終わりです(相続税がかからない場合も同様です)。
もし、この財産が移った時に所得税までかかってしまえば、二重課税になってしまいますので。
税理士に相続税の申告の依頼をしているのであれば、納税のみをしていただければOKということになります。
扶養の問題も関係ない
相続で財産をもらったら、
・その方を扶養に入れていいのか?
・扶養に入ったままでいいのか?
ということについても聞かれることはありますが、こちらについても今まで通りで問題ありません。
扶養に入れない=その方にある程度の収入があるということになりますが、
あくまで、故人様から財産が移動してきただけなので、もらった方の収入ではありません。
相続でいくらもらおうとも、扶養に関することについても一切関係ありません。
確定申告が必要なケース
相続で財産をもらった場合には、相続税の申告のみ(基礎控除以下で相続税の申告不要を含む)ですが、下記のようなケースでは確定申告が必要になります。
・相続でもらった不動産を売却した
・相続でもらった株を売却した(特定口座の場合、申告不要の選択可)
・相続でもらったものが収益物件で、収入を得るようになった
相続税と所得税の関係はこのような感じでしょうか
・故人様の財産→相続人の財産に名義を変える ⇒ 相続税
・名義の変わった財産を運用する(売却など) ⇒ 所得税・住民税
つまり、ご自身名義の財産を運用して収入を得た場合には、確定申告が別途必要になり、所得税や住民税の納税が必要になります。
その収入の金額によっては、配偶者控除の対象から外れるケースはあります(その年かぎりのケースは多いです)。
とくに先祖代々の不動産を相続して売却すると、相続税に加えて、所得税・住民税といずれもまとまった納税額が必要になるので、特に気をつけましょう。
なお、相続したものを故人様が亡くなってから3年10カ月以内に売却すると、相続税の納税額の一部が経費になる特例もあり、所得税・住民税の負担が少なくなります。
上記の記事では不動産のみの場合を事例にあげていますが、株の売却にも適用ができます。
<昨日の出来事>
午前中は、ちょっと早めのランニング7km。
午後は、税理士会の支部の定期総会に出席。
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