相続税で建物を評価する場合には、固定資産税評価額をもとに評価します。
建物の評価の方法についてまとめてみました。
自分で使っている場合
自分で使っている建物(家)については、固定資産税評価額 × 1.0 と評価します。
固定資産税評価額は毎年4月頃に送られてくる固定資産税の納税通知書に記載されています。
どのように記載されているかは、自治体によって異なります。
我孫子市の場合には、価格(評価額)と記載されています(【1】の金額です)。
固定資産税評価額がどれかわからない場合には、各自治体の担当先に聞いてみましょう。
ていねいに教えてくれます。
建物の固定資産税評価額の特徴は、
・3年間ごとに評価額が変わる(基本は下がる)
・ある程度の年数になると変わらなくなる(木造だと25年位)
・ゼロにはならない
といったことがあります。
他の人に貸している場合(1棟丸ごと)
自分で使っておらず、他人に賃貸している建物については、
固定資産税評価額 × 1.0 × (1 - 30%)と評価します。
これは、建物を借りている人にも権利があり、持ち主には自由に使うことができないことから、その分利用価値が少なくなるので、30%ほどの減額が認められています。
ちなみに、家を借りている側にも権利はありますが、相続税を計算するうえでは評価をする必要はありません。
他の人に貸しているかどうかは、故人様が亡くなった日の状況で判定します。
亡くなる数日前に退去して空き家になっていた場合には、30%の減額はありません。
他の人に貸している場合(複数の部屋がある場合)
アパートやマンションのように複数の部屋を賃貸している場合には、
固定資産税評価額 × 1.0 × (1 - 30% × 賃貸割合)と評価します。
例えば、4部屋(部屋の広さは同じ)のアパートを所有していて、2部屋貸していて2部屋が空いていた場合には、
賃貸割合は、2部屋÷4部屋=50%となり、
そのアパートの評価は、固定資産税評価額 × 1.0 × (1 - 15%)、つまり自分で使っている場合に比べて15%ほどの減額となります。
もちろん、4部屋(部屋の広さは同じ)すべて貸していた場合には、賃貸割合は100%となり、自分で使っている場合に比べて30%ほどの減額となります。
賃貸割合の計算
上記の例では、わかりやすくするために貸している部屋数の割合で計算しましたが、
貸している部屋の広さが違う場合には、
貸している部屋の床面積の合計 ÷ そのアパートの部屋全体の床面積の合計
で計算をします。
貸しているかどうかの判定
部屋を貸しているかどうかの判定は、一棟丸ごと貸しているときと同様に故人様が亡くなった日の状況で判定します。
ただし、亡くなった日がたまたま空室であった場合でも、その空室が一時的であった場合には、貸していたものとして減額の対象にしていいことになっています。
一時的な空室ということに細かいルールはないのですが、おおむね1か月程度で埋まった場合などが該当します。
<大事なこと>
建物は固定資産税の通知書を見ればかんたんに評価することができます。
アパートやマンションの賃貸割合を計算する際の一時的な空室が意外と問題になることがありますのでご注意ください。
<昨日の出来事>
昨日はお客様の年末調整の書類の整理を始めました。
夕方にランニング17km、またしても力尽きて20時就寝。
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